「ひざが痛いときのウォーキングは?」「右肩の痛みが取れない」名医が回答!
伊奈病院副院長の石橋英明先生(前編)
伊藤和弘=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2021年5月の回答者は、「骨」や「関節」の記事で日経Gooday読者にもおなじみ、伊奈病院副院長の石橋英明先生です。
伊奈病院副院長 石橋英明先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
半年以上も右肩の痛みが取れず、何を試しても効果がありません。
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
骨密度は年をとると高くできないというのは本当ですか?(後編)
Q10
Q11
お酒の飲みすぎは骨にも悪いと聞きました。許容量はどれくらい?(後編)
Q12
編集部 伊奈病院(埼玉県伊奈町)副院長で整形外科科長でもある石橋英明先生は、骨と関節の病気のスペシャリストとして知られ、日々の診療のほか、テレビ出演や講演活動でも忙しくしていらっしゃいます。日経Goodayでも2020年の特集「『骨』を強くしてタフな足腰を作る!」などにご登場いただきました。
そんな石橋先生に向けて、読者からの質問を募集したところ、多くの質問が寄せられました。それに対する石橋先生の回答を、前編・後編の2回に分けてお届けします!
石橋 私に分かることなら何でもお答えしたいと思います。よろしくお願いします。
編集部 ではさっそく、最初の質問です。
スポーツで痛めたひざがなかなか治りません
スポーツでひざを痛めました。医師の説明では、骨に異常はなく、加齢のせいで関節の間が狭くなっているので痛いのでしょう、とのこと。湿布と痛み止め、ヒアルロン酸の注射をしており、治療を受けると痛みはなくなりますが、時間が経つとまた痛くなります。ほかに治療法はないのでしょうか? (56歳女性)
編集部 今回は特に「ひざの痛み」に関する質問やお悩みが数多く寄せられました。最初の質問は、「スポーツでひざを痛め、なかなか治らない」というものです。

石橋 ひざが痛いという方は本当に多いですね。この方は50代の女性なので、更年期の影響もあるかもしれません。閉経後は女性ホルモンの分泌が減って骨が弱くなりますが、軟骨も同じく弱くなることがあるので、ひざの痛みが出やすくなります。更年期の時期を過ぎると楽になることも多いです。
編集部 自然に治るならそれに越したことはありませんね。この方の場合は「スポーツで痛めた」ということで、何かきっかけがあったようです。
石橋 そうですね。スポーツでひざを痛めたという場合、軟骨や骨、半月板や靱帯、周囲の腱や筋肉などいろいろな組織に関連が考えられるので、それによって症状や対処法が違ってきます。半月板や靱帯を痛めた場合は関節の中に血や水がたまります。この方の場合、ヒアルロン酸の注射で良くなるということなので、「軟骨に過剰な負担がかかって痛めた」可能性が高いでしょう。ヒアルロン酸は関節液の成分で、潤滑液として働き、軟骨の表面の摩耗を軽減して痛みをやわらげます。
編集部 今の治療では一時的な効果しかないとのことですが、ほかにどのような治療法が考えられますか?