「脂肪肝はどうすれば分かる?」 読者の悩みに名医が回答!
自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授の浅部伸一先生(前編)
伊藤和弘=フリーランスライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は、日経Gooday読者に人気の「肝機能」や「お酒の飲み方」の記事でおなじみの、自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授の浅部伸一先生です。
自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授の浅部伸一先生 Q&A
Q 1 脂肪肝はどうすれば分かりますか?
Q 4 γ-GTPの数値を下げるには酒量を減らすしかない?(次回)
Q 5 AST(GOT)の数値が少し高くて気になっています。(次回)
日本人の3人に1人が脂肪肝! では自分は大丈夫?

編集部 肝臓専門医で自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授の浅部伸一先生は、肝機能や脂肪肝に詳しく、日経Goodayでも肝臓関連の特集やお酒の飲み方についての記事で何度もご登場いただいています。
また、2017年11月に日経Goodayで発行した書籍『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(葉石かおり著)の監修も務めていただきました。
そんな浅部先生に向けて、日経Goodayでは読者からの質問を募集しました。たくさんのご質問ありがとうございました。浅部先生の回答を、今回と次回の前後編に分けてお届けします!
浅部 よろしくお願いします。
編集部 それではさっそく、最初の質問です。
最近、脂肪肝が増えていると聞き、「自分は大丈夫だろうか」と心配です。脂肪肝はどうすれば分かるのでしょうか? (20代男性)

編集部 今回、最も多かったのは「脂肪肝」に関する質問でした。脂肪肝とは、その名の通り、肝臓の中に脂肪がたまった状態です。人間ドックを受診した日本人1578人(男性1208人、35~69歳)のうち、実に32%が脂肪肝だったというショッキングな報告(J Clin Biochem Nutr. 2009;45(1):56-67.)もあり、話題になることも増えてきました。
実際、日経Goodayでも脂肪肝の記事はとても人気があります。心配な人が多いのでしょう。しかし、自分が脂肪肝かどうかは、どうすれば分かるのでしょうか。会社などで受ける健康診断の結果にも「脂肪肝」という項目はありません。
浅部 脂肪肝かどうかは、通常は「超音波(エコー)検査」により判断します。脂肪肝だけではなく、胆石、肝臓がん、腎臓がんなどの検査にもなります。法的に義務づけられてはいないので会社の健康診断では普通やりませんが、簡単にできるうえに情報量が多いこともあり、ほとんどの人間ドックで行われています。