「げっぷが出すぎる」「小食で胃が縮む?」「お酒の前に牛乳」 名医が回答
東海大学医学部内科学系消化器内科学領域主任教授の鈴木秀和先生(前編)
堀田恵美=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2021年4月の回答者は、胃腸の病気の診断・治療に詳しい、東海大学医学部内科学系消化器内科学領域主任教授で東海大学医学部付属病院消化器内科診療科長の鈴木秀和先生です。
東海大学医学部内科学系消化器内科学領域主任教授 鈴木秀和先生 Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
ピロリ菌除菌後は、内視鏡検査をどのくらいの頻度で受けるべき?(後編)
Q 8
逆流性食道炎の症状を抑えたい 今の薬の飲み方で大丈夫?(後編)
Q 9
Q10
Q11
編集部 鈴木先生のご専門は、消化器内科。なかでも胃の不調、特にヘリコバクターピロリ(以後、ピロリ菌)感染症や、機能性ディスペプシア(内視鏡検査などでは異常が見つからない胃の痛みや胃もたれ)の診断や治療に詳しく、これまでにもたびたび日経Goodayにご登場いただいております。今回も非常に多くの質問が寄せられました。鈴木先生のご回答を、2回に分けてお届けします。
鈴木 今日はよろしくお願いいたします。
編集部 よろしくお願いいたします。さっそく、最初の質問を見てみましょう。
年を取ったら脂っぽい食事はNG? 胃薬でしのげば問題ない?
最近、脂っぽいものを食べたときの消化が遅くなった気がします。焼き肉食べ放題に行ったら、その夜はずっとおなかが重く、下痢にもなりました。年を取ったら脂っぽいものは控えた方がいいのでしょうか? 胃腸薬などを飲みながらしのげば問題ないでしょうか。(51歳、男性)
鈴木 食べるとおなかが重くなったり、下痢をしたりするのは、体に合わない食べ方をしているからではないでしょうか。脂を多くとると消化が遅くなるので、普段より胃に長く食べ物が残ります。また、脂そのものの消化・吸収が追いつかないと、そのまま大腸に流れていってしまい下痢傾向になります。つまり、胃もたれや下痢は消化管のキャパオーバーを示しているのです。
以前はこれくらい食べても大丈夫だった、と思っても、体に必要な食事の量は年とともに減少するので、いつまでも若い頃と同じように食べられるわけではありません。たまに食べ放題に行くのはいいですが、胃腸薬が必要かもと思うなら、それはもう食べ過ぎです。ほどほどに食べるようにしましょう。

編集部 食べ過ぎで病気になることがありますか?
鈴木 胃もたれや下痢をするほどの暴飲暴食を慢性的に繰り返していたら、器質的異常がないのに腹痛や下痢、便秘などを繰り返す過敏性腸症候群や、胃痛や胃もたれを繰り返す機能性ディスペプシアなどの症状が出やすくなります。また、消化に関係する臓器にも負担がかかるので、膵臓(すいぞう)や肝臓の病気も生じやすくなります。
編集部 食べ方、食べる時間などで注意すべき点はありますか?