「マラソンでいぼ痔に」「“切らない手術”もある?」名医が回答!
マリーゴールドクリニック院長、大腸肛門病専門医の山口トキコ先生(前編)
伊藤和弘=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2022年4月の回答者は、「痔」など肛門の病気に詳しいマリーゴールドクリニック(東京都港区)院長の山口トキコ先生です。
痔に詳しいマリーゴールドクリニック院長、山口トキコ先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
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Q 8
Q 9
Q10

編集部 マリーゴールドクリニック院長の山口トキコ先生は「日本初の女性肛門科専門医」として知られ、メディアでも幅広く活躍されています。そんな山口先生に向けて、読者からの質問を募集したところ、実に多くの質問が寄せられました。それに対する山口先生の回答を、前編・後編の2回に分けてお届けします。
山口 よろしくお願いいたします。
編集部 ではさっそく、最初の質問です。
マラソンでいぼ痔に… 手術するべき?
30年前にフルマラソンをきっかけにいぼ痔になり、そのまま症状が続いています。毎朝、排便の後に突出したいぼ痔を押し込まなければなりません。歩いたり走ったりしていると出てくることも多いです。もう慣れてしまいましたが、手術を受けるべきかずっと迷っています。(71歳男性)
編集部 痔はとても多い病気で、症状がない人も含めると、成人の2人に1人は痔を患っているとも言われています。「いぼ痔(痔核)」のほか、肛門の皮膚が切れる「切れ痔(裂肛)」、細菌が感染して肛門の周囲から膿が出てトンネルができる「痔ろう(あな痔)」の3種類がありますが、やはり一番多いのはいぼ痔でしょうか?

山口 そうですね。いぼ痔が最も多いです。いぼ痔はさらに「内痔核」と「外痔核」に分けられます。肛門から2~3cm入ったところにある歯状線の内側の粘膜にできるのが内痔核で、その外側にできるのが外痔核です。