「シミやイボを取るには」「アトピーは治らない?」読者の悩みに名医が回答
皮膚の疾患に詳しい、ひふのクリニック人形町 院長・上出良一先生(前編)
堀田恵美=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
2021年3月の回答者は、生活習慣やスキンケアから丁寧に指導する皮膚科医、ひふのクリニック人形町(東京都中央区)院長、上出良一先生です。
ひふのクリニック人形町 院長・上出良一先生 Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
尋常性乾癬なのですが、この病気は治らないのでしょうか(後編)
Q 7
Q 8
Q 9
Q10
Q11
編集部 ひふのクリニック人形町の上出先生には、これまで何度も日経Goodayで皮膚の疾患について解説していただいております。読者からたくさんの質問が寄せられましたので、前後編に分けてお届けします。
上出 よろしくお願いいたします。
編集部 ではさっそく、最初の質問です。

顔、手足、背中にシミとブツブツがあります
顔、手足の皮膚の硬いところや、背中にシミとかゆみのあるブツブツがあり、ヒルドイド軟膏、ボアラ軟膏を塗布していますが、治りません。気長に続けるしかないでしょうか。顔のほくろやイボは皮膚科で液体窒素で焼いてもらったのですが…。(80代男性)
編集部 年を重ねるとともに増えるシミの対処法についてのお悩みです。この方は、すでにいろいろと試しているようですね。
上出 この方の場合は、「老人性色素斑」と「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」が混ざっているのではないかと思います。茶色あるいは黒っぽい、境界がはっきりとした色素沈着を、老人性色素斑といいます。加齢とともに出てくるシミということで「老人性…」と呼ばれてきましたが、加齢というより紫外線が原因で生じるシミなので「日光黒子(にっこうこくし)」といったほうがいいかもしれませんね。
この日光黒子は、太陽光にさらされやすい顔や手の甲に多く出ます。放置しておくと、その部分が盛り上がってくることがあります。これが脂漏性角化症です。「老人性イボ」と呼ぶこともあります。