「口臭の予防に、口ゆすぎよりも効果があるものは?」あなたの疑問に名医が回答!
鶴見大学歯学部探索歯学講座教授・花田信弘先生(前編)
伊藤和弘=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者など、健康・医療のエキスパートが月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は、歯周病に詳しい鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘先生です。
鶴見大学歯学部探索歯学講座教授・花田信弘先生Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
研磨剤が入った歯磨き粉は歯のエナメル質が削れると聞きました(後編)
Q 6
なぜ日本にはフッ素の濃度が高い歯磨き粉がないのでしょうか?(後編)
Q 7
歯周病を防ぐためには歯間ブラシやデンタルフロスも必要ですか?(後編)
Q 8

編集部 日本では成人の8割が歯周病と言われています。歯周病になると口臭が強くなり、進行すると歯を失うことが知られていますが、それだけにとどまりません。最近では歯周病は糖尿病や認知症とも関係があり、放置すると寿命を縮める恐れがあることが分かってきました。歯周病は口の中だけではなく、全身に影響を及ぼす病気なのです。
鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘先生は、これまでにも歯周病の専門家として日経Goodayにご登場いただいています。そんな花田先生に向けて読者からの質問を募集したところ、たくさんの質問が寄せられました。花田先生の回答を、前編・後編の2回に分けてお届けします!
花田 よろしくお願いします。
編集部 ではさっそく、最初の質問です。
30年前に入れた奥歯のクラウンが口臭の原因?
歯磨きをしても入れ歯の人のような口臭が残ります。30年前から奥歯に金属のクラウンをはめており、そこから臭いが出ているように思います。奥歯のクラウンを入れ直すことで悪臭は改善できるでしょうか? (64歳男性)
編集部 30年前、奥歯に入れたクラウンからイヤな口臭が出ているように感じる、というお悩みです。
花田 口臭は、ときには胃腸などに原因があることもありますが、 8割は口の中に原因があると言われます。30年前というと、確かにそのクラウンの周辺が口臭の原因になっている可能性は高いですね。
編集部 具体的にはどんなことが考えられるのでしょうか?
花田 大きく2つの原因が考えられます。まず、クラウンの外側の歯周組織が歯周病になっているのかもしれない。もう1つ、クラウンの中に 2次う蝕(むし歯)が起きている可能性もあります。レントゲンを撮って、きちんと診察してもらえば分かるはずです。はっきり原因が分かって治療すれば、口臭も良くなる可能性があります。
クラウンの周辺で歯周病が進行しているか、中でう蝕が起きている可能性があります。一度、歯科医院で診察してもらいましょう。
編集部 分かりました。次も同じく口臭のお悩みです。