「睡眠時無呼吸の治療をやめたい」読者の悩みに名医が回答!
御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長・村田朗先生(後編)
田村知子=フリーランスエディター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」のエキスパートとして知られる、御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長の村田朗先生です。
御茶ノ水呼吸ケアクリニック院長・村田朗先生 Q&A
Q 1
やせ型なのに、いびきと無呼吸が心配な夫。改善方法はある?(前編)
Q 2
口にテープを貼って鼻呼吸にする方法は、いびきや無呼吸に有効?(前編)
Q 3
「高血圧が原因」と言われたいびき。治すにはどうしたら?(前編)
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8

編集部 前編では、睡眠時無呼吸症候群かどうかは分からないものの、いびきや無呼吸を心配されている方からのご質問にお答えいただきました。後編では、睡眠時無呼吸症候群と診断されている方からのご相談を伺っていきます。では、さっそく最初の質問です。
無呼吸で夜中に起きると眠れなくなるのはどうすれば?
睡眠時無呼吸症候群と診断されています。夜中に起きると眠れなくなりますが、どうしたら眠れるでしょうか。(70代前半男性)
編集部 睡眠時無呼吸症候群と診断されている方ですが、治療をされているかどうかは不明です。
村田 では、治療をしている場合と、していない場合とで考えられる原因と改善策をお話ししましょう。まず、治療をしていない場合は、年齢的な影響があるかもしれません。70代くらいになると深い睡眠が減り、眠りが浅くなってくるので、睡眠の途中で目覚めやすくなります。
改善策としては、生活のリズムを作ることですね。朝遅くまで寝ていないで、毎日決まった時間に起きて日光を浴びること。長時間の昼寝をしないこと。また、日中に体を動かすことも大切です。少し疲れたと感じる程度の活動を行うと、深い睡眠が取れやすくなります。なお、睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことでも、睡眠の質が改善します。治療をしていないようなら、診断を受けた医療機関で相談してみてください。
もし既にCPAP(シーパップ)治療をしている場合は、治療が適切にできていない可能性があります。
CPAP(シーパップ)とは
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群の第1選択として用いられる治療法で、睡眠中に、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道に一定の圧力をかけて空気の通り道を確保する。睡眠時の気道の閉塞が防げるため、いびきはなくなり、無呼吸をゼロにできる。

この記事の概要
