「リバウンド後、二度と戻ってこれない人とは?」読者の悩みに名医が回答!
ロカボ提唱者、北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長 山田悟先生(後編)
柳本 操=ライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者など、健康・医療のエキスパートが月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は、「“ロカボ”山田悟の糖質制限の誤解」連載でおなじみの、北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長、食・楽・健康協会代表理事の山田悟先生です。今回は、ロカボの実践方法やありがちな“落とし穴”について答えていただきました。
北里大学北里研究所病院 糖尿病センター長の山田悟先生 Q&A
Q 1 じわじわと血糖値が上がっているのが気になっています(前編)
編集部 前回は、健康診断の血糖値をどう捉えればいいか、そして中性脂肪と糖質に関わる誤解について、読者からの質問にお答えいただきました。
では、今回の最初の質問です。「ロカボを始めてみたいが、なにから手をつければいいのか」、これも多くの人の関心事ですね。

正月以来、食べ過ぎが続いてしまい、3kgほど太ってしまいました。ロカボを始めてみたいと思っています。とりあえずごはんを半分にしていますが、注意すべきポイントがあったら教えてください。(40代男性)
山田 はい、ごはんを半分にするところからぜひ始めてください。
前回 も解説しましたが、ロカボは“緩やかな”糖質制限で、1食当たり糖質を20~40gにして、それとは別にスイーツや間食分として糖質10g分をプラスして、1日の糖質摂取量をトータル70~130gにする、という食事法です。

現在の日本人は1食90~100g、1日270~300g程度の糖質をとっています。ロカボでは糖質をその半分弱程度に抑えるわけです。
食事に含まれる糖質はごはんなどの主食だけではありませんが(詳しくは後述)、スタートとして、ごはんを半分にするところから始めるのは、分かりやすくていいと思います。ただし、ごはんを減らした分だけおかずを増やす努力もしていただきたいと思います(*1)。
そして、もっとも注意すべきポイントですが、「その食生活が楽しめるように、最大限の努力をしてください」ということです。
成功のカギは「ロカボを楽しめているか」
編集部 え!? 注意するポイントが「楽しめること」ですか? 確かに、先生はいつも、「楽しめるかどうかが大事」と強調されますが…。
山田 なぜなら、「ごはんを半分にして“我慢している”」という感覚があるうちは、いずれ絶対に元に戻ってしまうからです。ごはんを半分にする食生活が楽しめるように、食事を変えていくことが必要です。そうでないと、続かないのです。