「LDLコレステロールが急に増えた」読者の悩みに専門家が回答!
管理栄養士の岸村康代さん(後編)
及川夕子=フリーランスライター
「健康Q&A」では、日経Goodayの連載や特集でおなじみの医師や研究者、アスリート、トレーナーなど、健康・医療のエキスパートの方々が月替わりで登場。あなたの疑問やお悩みに答えます。
今月の回答者は、男女2000人以上の減量指導をして、合計10トン以上の脂肪を減少させた経験を持ち、テレビ出演など多方面で活躍中の管理栄養士、岸村康代さん。前編に続き、後編をお届けします。
管理栄養士の岸村康代さん Q&A
Q 1
Q 2
Q 3
Q 4
Q 5
Q 6
Q 7
Q 8
Q 9
編集部 前回は、正月太りの解消法などについてお伺いしました。今回は、中性脂肪やLDLコレステロールなどの数値に関する質問や、減量がうまくいかないなどの悩みにお答えいただきます。さっそく最初の質問です。
LDLコレステロールと中性脂肪が高く、腹囲が100cmです
健康診断の脂質の数値が悪い状態が20年近く続いています。今年はLDLコレステロールが148mg/dL、中性脂肪が212 mg/dLでした。血糖値や血圧は問題ありませんが、腹囲は100cm近くありメタボ予備群です。食生活をどう見直せばいいですか? (40代男性)

編集部 メタボ診断の基準では、男性で腹囲85cm以上、女性で腹囲90cm以上のほか、高血圧、脂質異常、高血糖のうち2つ以上が当てはまると、メタボになります(*1)。
岸村 質問者の方は、このままでは50代になるころには動脈硬化が原因の疾患が出てくる可能性もあります。この場合、悪さをするのは内臓脂肪ですから、まずはこれを減らしましょう。そうすれば、健康診断の数値も改善してくる可能性が高いです。
編集部 内臓脂肪を減らす食事法というと、どんな点に気をつけたらよいのでしょう。
岸村 LDLコレステロールが高い場合、食事が揚げ物や肉類に偏りがちで、食物繊維が不足していることが多いです。また、中性脂肪が高い場合は、脂質や糖質のとりすぎが考えられます。
食事の見直しポイントとしては、まず食物繊維をしっかりとること。野菜、海藻、納豆などの大豆製品を積極的にとりましょう。それから、動物性脂肪の摂取量を減らしたいですね。中性脂肪を下げるためには、前回お話ししたように、緩やかな糖質制限もお勧めです。