前回の「健康長寿のために鍛えておくべき筋肉、第1位は?」では、ウォーキングなどの有酸素運動をできるときに少しずつ「チリツモ」で行うコツや、健康長寿のために優先して鍛えるべき筋肉とその理由などをお話ししました。今回は、オフィスや自宅にいながら5分程度で実践できる筋トレメニューをご紹介します。
ここでもう一度、健康長寿のために優先して鍛えるべき筋肉とその理由をおさらいしておきましょう。
「健康長寿」のために優先して鍛えるべき筋肉とその理由
1 下肢(下半身)の筋肉
⇒上肢(上半身)の筋肉よりも加齢によって衰えやすいため
2 下肢の中でも、股関節周り(大腰筋とその周辺)の筋肉
⇒転倒を予防するため
3 背中や太ももなどの大きな筋肉
⇒基礎代謝を維持・向上させるため
(1)の下肢(下半身)の筋肉を鍛えるには、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を意識した「膝伸ばし」が有効です。イスに座ってできるメニューで、仕事の合間や、自宅でテレビを見ながらでも行えます。
(2)の股関節周り(大腰筋とその周辺)の筋肉は、みなさんにもおなじみの「スクワット」で鍛えていきます。スクワットでは体の深部にある大腰筋をはじめ、大腿部(大腿四頭筋、大腿二頭筋)やお尻(大臀筋)などの筋肉をトータルに鍛えることができます。
(3)の大きな筋肉を鍛えるには様々なメニューがありますが、ここでは腹筋と大腰筋を鍛えられる「上体起こし」を取り上げます。上体起こしは仰向けに寝た状態で行うメニューですが、オフィスでもできるように、イスに座った状態でできる「もも上げ」も併せてご紹介します。
また、3種類のメニューに加えて、余裕のある方はふくらはぎの筋肉を強化できる「かかと上げ」も実践してほしいと思います。ふくらはぎの筋肉は、下肢の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしているため、強化することで血流を促し、冷えの改善が期待できます。
では早速それぞれのメニューをご紹介しましょう。
メニュー【1】膝伸ばし
強化する筋肉:太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)
- 1 イスに腰掛け、背筋を伸ばす。
- 2 片方の膝を「1、2、3」でゆっくりとまっすぐ伸ばし、1秒キープしたあと、「1、2、3」でゆっくりと元の姿勢に戻る。
- 3 反対側も同様に行う。
ポイント
- 片方ずつ各10回を1セットとして、1日1セット行う。
- イスの背にはもたれない。
- 慣れるまでは太ももの前側に手を置き、筋肉の動きを確認する。
- つま先の向きは自然な状態で。慣れたら膝を伸ばしたときに、つま先を顔のほうに向ける。
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