前回の「『肉より野菜』では筋肉は増やせない」では、運動と食事の関係について解説しました。そして、私が運動と食事のバランスを考え、食べ方を工夫することによって、半年間で13kgの減量に成功し、現在でもリバウンドすることなく維持していることをお話ししました。今回は具体的にどのような工夫をしているのか、ご紹介していきましょう。
前回も触れましたが、私は週に5日は夜の会食があり、お酒も飲みます。さらに、甘い物も好きでよく食べます。そのため、摂取カロリーがどうしても多くなりがちです。特に、50代になって日本酒を飲むようになってからは、体重が76kgにまで増えてしまいました 。
だからといって、会食を減らすことは難しいですし、お酒も甘い物もやめたくはない。そこでまず実践したのは、食事でのカロリー摂取=インプットが多い分、運動でのカロリー消費=アウトプットを多くすることです。特に、脂肪の燃焼につながる有酸素運動を増やしました。

食後は10分歩いて、血糖値を下げる
この連載の第5回「健康長寿のために鍛えておくべき筋肉、第1位は?」でご紹介したように、運動の基本は「チリツモ」。まとまった時間歩くことはできなくても、1日の中でこまめに歩数を稼ぎ、1週間単位で帳尻を合わせます。
あまり歩けない日が3日以上続くようなときは、「今日は10分だけでもいいから走るぞ!」と決めて、朝早く起きてジョギングをすることもあります。これは、第4回「血管を軟らかくするたった1つの方法、有酸素運動の威力」でお話しした通り、有酸素運動でせっかく増えた毛細血管が消滅しないようにするためでもあります。
毛細血管が減ってしまうと、脂肪を燃やしてエネルギーを生産するために不可欠な酸素の供給量も少なくなってしまいます。朝起きたときに寒かったり、天気が悪かったりするとサボりたくもなりますが、「この数日で毛細血管がどれだけ消えてしまっただろう…」と考えると、「これ以上減らしてはいけない!」と思い直すことができます(笑)。
これに加えて、食事の後は10分程度歩くようにしています。食後に10分間歩くのは、食後の血糖値をコントロールするためです。食事をすると血糖値が上昇しますが、食後に10分程度有酸素運動を行うと、血糖値が下がりやすくなるのです。