腰痛や肩こり、首や膝の痛みといった「整形外科的な痛み」の背景にあるのは、座り方や姿勢などの生活習慣。痛みを治し、再発させないための日常的な対処法を、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さん(竹谷内医院院長)が指南します。今回のテーマは、「シーン別腰痛対処法」です。
前回、「シーン別腰痛解消法」として、座っているとき痛い、立っているとき痛い、歩くと痛い、夕方になると痛いという4つの場合について解説しました。
今回はその続編として、腰を曲げると痛い、寝ると痛い、寝返りで痛い、起き上がりで痛いという4つについて、対処法を説明していきます。
(5)腰を曲げると痛い、を解消する
腰を曲げると痛くなるのは、さまざまな腰痛に共通した症状です。代表的なものは「椎間板ヘルニア」ですが、原因が特定できない「非特異的腰痛」でも、やはり腰を曲げると痛いという症状が多く見られます。
いずれにしても、普段の生活で神経を刺激しないことが大切です。つまり、痛くならないよう、腰をなるべく曲げないようにするのです。
なぜなら、末梢神経から痛みの信号が脳に送られ続けると、中枢神経が興奮したままの状態になり、たとえ患部の状態がよくなっても常に痛みを感じるようになってしまうからです。
とはいっても、顔を洗ったり、低い場所にあるものを手に取ったりするときに、どうしても前かがみにならざるをえないときがあります。そんなときは、次のようにして、腰を曲げずに前かがみになるようにしましょう。この姿勢は、腰を丸めるのでもなく、反らすのでもなく、その中間の姿勢であることから、「中間位」と呼ばれています。