腰痛や肩こり、首や膝の痛みといった「整形外科的な痛み」の背景にあるのは、座り方や姿勢などの生活習慣。痛みを治し、再発させないための日常的な対処法を、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さん(竹谷内医院院長)が指南します。今回のテーマは、「シーン別腰痛対処法」です。
多くの人が悩んでいる腰痛は、原因がはっきり特定できるものが全体の20%ほどしかありません。この連載の記事でもご説明しましたが、残りの80%は、どこから痛みが出ているのか原因を特定できない「非特異的腰痛」なのです。
とはいえ、原因がはっきり特定できなくても、「どのタイミングで痛くなるか」に注目すれば、大まかな原因がある程度予想できるので、対処法が分かります。
そこで、今回と次回の2回に分けて、「シーン別腰痛対処法」をお届けします。腰が痛くなるシーンとして、以下の8つについて対処法を説明していきます。
(1)座っているとき痛い、を解消する
椅子に座っているときは、立ったり歩いたりしているときに比べて、腰にかかる負担がかなり大きくなります。オフィスワーカーのように、1日のうちで座っている時間が非常に長くなっている人は、腰の痛みを感じることが多いでしょう。
腰に痛みを感じるかどうかは、椅子の選び方と座り方にも大きく左右されます。こちらの記事でも解説していますが、椅子は自分の体格に合ったものを選びましょう。また、「背もたれが肩甲骨の下端よりも高い」「背もたれがゆるやかなカーブで後ろに反っている」「座面や背もたれに適度なクッション性がある」こともポイントです。
また、せっかくいい椅子を選んでも、座り方が悪くては意味がありません。背すじを伸ばし、腰をやや反らした状態で、背もたれに寄りかかるように座りましょう。
ただし、たとえいい姿勢であっても、長時間同じ姿勢を続けると、筋肉が固くなってしまいます。仕事で緊張状態が続くような場合ですと、自律神経系のうちの交感神経が優位となって、さらに筋肉のこりに拍車をかけてしまいます。
そこで、座りっぱなしではなく、30分に1回は立ったり歩いたりして、姿勢をリセットすることが大切です。もしくは、次のようにして簡単なストレッチをしても、筋肉をほぐすことができるのでお勧めです。