腰痛や肩こり、首や膝の痛みといった「整形外科的な痛み」の背景にあるのは、座り方や姿勢などの生活習慣。痛みを治し、再発させないための日常的な対処法を、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さん(竹谷内医院院長)が指南します。今回は、肩こりで悩む人、「頸椎症予備軍」の人が痛みやこりをとる方法をご紹介します。
「たかが肩こり」と油断せず、対策を!
前回、頸椎症の基本的な知識を紹介しました。重要なポイントをおさらいしましょう。
頸椎症のポイント
- 頸椎症の主な原因は、加齢や生活習慣、悪い姿勢など。筋肉のこわばりから始まり、やがて骨や軟骨が変形して神経を圧迫し、痛みやしびれを生じさせる。
- 頸椎症のレベルは、ステージ0~4の5段階に分けてとらえることができる。
- 「たかが肩こり」と油断していると、それが頸椎症の第一歩になりかねない。慢性的な肩こりは頸椎症のステージ1。
頸椎症のレベルを、ステージ0~4の5段階に分けてとらえ、自分がどのステージにあるか確認するためのフローチャートが以下です。
慢性的な肩こりはステージ1であり、そのまま放っておくと、どんどん悪化していく可能性があります。
今回は、油断できない頸椎症の予防や対策に、私が考案した体操(ストレッチ+筋トレ)を2つ紹介しましょう。
まず、どんなステージの人にも効く体操を紹介しましょう。頸椎症の予防にも対策にも効果があります。ステージ0の予備軍や、「デスクワークに集中しすぎて肩がこった」という人には、頸椎症の進行を防ぐのに役立ちます。
この体操は、頭の上で両腕で「0(ゼロ)」の形を作ることから、「ゼロ筋トレ」と名づけました。また、ステージが進んだ人には、このあとで紹介する「首伸ばしストレッチ」と合わせて行うと効果が高まります。