腰痛や肩こり、首や膝の痛みといった「整形外科的な痛み」の背景にあるのは、座り方や姿勢などの生活習慣。痛みを治し、再発させないための日常的な対処法を、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さん(竹谷内医院院長)が指南します。今月のテーマは、腰痛や肩こりの原因となる「椅子」の問題です。
自分の体に合っていない椅子は万病のもと!
腰痛や肩こりは、多くの人が悩んでいる症状です。腰痛では、ぎっくり腰のような「急性腰痛」を除くと、「気がつけば、いつのまにか腰が痛くなっていた」という場合がほとんどでしょう。肩こりも同様です。
痛みやこりが表面に出ないからといって、普段の生活習慣に無頓着でいると、ある日突然、症状が出てきてしまいます。実は、腰痛や肩こりの原因となる体の問題は、見えないところで少しずつ進んでいるものなのです。
今回は、普段の生活を見直し、腰痛や肩こりなどを予防する方法をご紹介しましょう。すでに痛みが出ている場合は、こうした生活の見直しにより、症状をこれ以上悪化させることが避けられます。
オフィスワーカーにとって、最も長い時間続けている姿勢は何でしょうか? そう、座っている姿勢です。
日本人の成人は、1日平均8~9時間も座っているという調査結果もあるほどです。1日の3分の1強にあたり、睡眠時間よりも長いわけですから、座っているときの姿勢が腰痛や肩こりの発症や悪化を大きく左右することは、すぐにお分かりになるでしょう。
椅子は、ただ「価格の高い、いい椅子」を選べばいいというわけではありません。自分に合っていなくては意味がないのです。例えば、これまでのビジネス環境は男性中心だったので、小柄な女性はサイズの合わない大きな椅子に無理に座らなくてはならないということもあるようです。
椅子が自分に合っているかどうか、次の3つのポイントをチェックしてみてください。