大腸がんを見つける新しい検査として、「大腸3D-CT」が注目されている。CTで撮影したデータを画像処理によって再構成し、あたかも内視鏡で見たような三次元映像を作成、病変を見つける。最大のメリットは、大腸内視鏡検査と比べて体の負担が少ないこと。人間ドックのオプションとして、3~5万円で受けられる施設が増えてきている。
がんは、日本人の死因1位の病気。中でも近年増えているのが大腸がんだ。国立がん研究センターが昨年公表した、部位別がん患者数のデータでは、大腸がんの患者数が胃がんを上回ってトップになった(「大腸がんの患者数、男性で初めて1位に」)。
大腸がんを見つける新しい検査として、今注目を集めているのが「大腸3D-CT」。CTで撮影したデータを画像処理によって再構成し、内視鏡で腸内を見た時のような三次元映像を作成、病変を見つける。近年、CT画像の解像度が飛躍的に良くなり、早期がんなどのかなり小さな病変でも見つけられるようになった(図1)。
下剤などの事前の処置や、検査に伴う苦痛が大腸内視鏡より軽いのが大きな特徴。検診や人間ドックで手軽に受けられる検査として、期待されている。
「欧米では10年以上前から研究が進み、内視鏡検査と並ぶ大腸がん検査として評価されています」。国立がん研究センター中央病院で放射線診断科の医長を務める飯沼元氏はこう話す。国内でも徐々に広がっており、今では、「大腸3D-CT」や「バーチャル大腸内視鏡」というキーワードでインターネットを検索すれば、この検査を実施している医療機関が何軒もヒットする。
この記事の概要
