7月に本配属になった新卒の部下が、うつ病を発症し、休職になった。真面目で周囲への気遣いもできる優秀な部下で、新しい仕事を任せた矢先だっただけに残念でならない。自分や周囲の期待が、プレッシャーになったのだろうか。
先日、大手広告代理店の新入社員の自死が労災と認定されたことが報道され、大きな話題となりました。詳しい事情や事実関係はわかりませんが、深夜や休日に及ぶ慢性的な長時間労働が要因となったほか、上司によるパワハラ的な言動などがあったとも伝えられています。
これはあくまで私感ですが、管理職が、部下の労務管理の徹底はもちろんのこと、社内教育や管理職向けのコーチングなどにより、部下の心情や体調に注意を向ける重要性を認識していれば、いざ不調に陥ったときにも早期に適切な働きかけができ、こうした悲劇は防げたのではないかと思えます(なお、以下は今回報道された事例とは一切関係のない、架空の事例を想定しての考察であることをあらかじめご了承ください)。
部下や自分の性格はどのタイプ?
部下をマネジメントするうえでは、性格の傾向を把握しておくことも大切です。その中でも、特に知っておきたいのが、部下がどんなことにストレスを感じやすいか、どんなことで心が折れやすいか、ということです。私はこれまでの企業研修やカウセンリング、コーチングなどの経験から、そうした心が折れやすい性格や気質の傾向を、3つのタイプに分けて考えてきました。それぞれの主な特徴は次の通りです。
心が折れやすい3つの性格のタイプ
[長所]
- 協調性が高く、周囲への気遣いもできる
- 真面目でルールやマニュアルを遵守する
- 安定した環境があれば、チームの中で力を発揮できる
- 頑固な一面があり、気晴らしが不得意
- 変化、失敗、挫折に弱く、臨機応変な対応が苦手
- 自分を抑えてしまうため、不安やストレスをためこみがち
[長所]
- 粘り強く、責任感が強い
- 熱血漢で、頼りがいがある
- 高い目標に向かって努力できる
- あいまいさを嫌い、結果に執着しすぎる
- 結論を急ぐ、せっかちになりやすい
- 自分を追い込み、「燃え尽きる」ことがある
- 自身の心身の不調や過労を認めようとしない
[長所]
- マニュアルや指示には説明がともなえば従う
- 自尊心が満たされると、意欲をみせる
- 「自分らしさ」「自分磨き」を大切にする
- 失敗や目標未達では自責より他責の傾向がみられる
- 自己評価が高くなりがち
- 依存心が強く、切磋琢磨を避けたがる理想と現実のギャップから心が折れやすい