春はものみな新たなる季節。でもいいことばかりではありません。新年度の始まりとともに、公共料金をはじめとして、じわりと値上げの時を迎えました。医療についても、2年に一度の診療報酬(公定価格)が改定される年度です。今回は、病院で払うお金の仕組みについて考えてみます。
ニッケイ太郎 「春は値上げが多いなあ。なにかとお財布に厳しいよ」
グッデイ花子 「そういえば、医療費の自己負担の一部も4月から変わったって知ってた?」
ニッケイ太郎 「え、そうなの? 今度、膝が痛いと言っている父親を大学病院に連れて行こうと思っているんだけど、高くなるのかな…」
グッデイ花子 「大きな病院に紹介状なしで行ったら、5000円も余計に取られるようになるらしいわよ」
ニッケイ太郎 「そうなんだ! しまった…。詳しく教えてよ」
「紹介状」なしの大病院受診で「5000円」

日本では、保険診療として行われる医療サービスに対する公定価格は、「診療報酬」として事細かく定められています。診療報酬は、2年に一度、中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を経て改定され、今年度は、その改定の年度に当たります。
今回の改定で、一般市民にとってインパクトが大きいのは、「紹介状」なしに大病院を受診する場合の自己負担金かもしれません。
開業医や中小病院のかかりつけ医からの「紹介状」を持たずに大病院を直接受診する場合、4月から初診では5000円(歯科3000円)以上、再診では2500円(歯科1500円)以上の定額負担が求められることになったのです(図)。