皆さんこんにちは!
前回、前々回のDU薬(DAITAI UNKO)の記事にはたいへん多くの反響をいただきました(「だいたいウンコになるので専門家に通称DU薬(DAITAI UNKO)とすら呼ばれる抗菌薬について知っておきたいこと」、「同・続編」)。
記事の内容を一言でいうと、「経口第三世代セフェムは飲んでほしくない!」ということです。
「経口第三世代セフェムって、どんな時に飲んではいけないの?」と言われれば「どんなときも飲んでほしくないです」と答えることができます。
でもこれって、実はものすごく例外的なことなんです。
「週刊〇〇を読んだら、△△という薬はダメだって…」

医療の現場では、いついかなる時も飲んでほしくない・飲んではいけない薬なんて、そうそうありません。
最近、世の中は「減薬ブーム」のようで、「この薬は絶対飲んではイケナイ!」とか「医者が絶対飲まない薬」とか「この薬で私は死にかけた!」とか、とても極端な見出しがついた記事を雑誌やインターネットで見かけます。
その影響もあり、実際に接する患者さんの中には
「週刊〇〇という雑誌を読んだら、△△という薬はダメだって書いてあるんですけど、これ、私が飲んでいるやつですよね?」
と心配そうに聞く方がおられます。中には、
「××という薬は危険って書いてあったので、しばらく飲むのをやめていました」
という方もおられるようです。そういう方にまずお伝えしたいのが、
「雑誌の表現を真に受けて、自己判断で薬をやめることは非常に危険です!」
ということです。こうした雑誌で紹介されている多くのケースは、薬を使うセッティング(状況)がよろしくないだけであり、薬そのものが害というわけではないのです。
「かぜに抗菌薬」はおかしいけれど、「細菌性肺炎に抗菌薬」は通常必要ですし、「細菌性肺炎に抗菌薬を使わない」はかなりおかしいのです。
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