日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > Dr.キタカズの「意外に知らない!?くすりにまつわるエトセトラ」  > だいたいウンコになるので専門家に通称DU薬(DAITAI UNKO)とすら呼ばれる抗菌薬について知っておきたいこと  > 3ページ
印刷

Dr.キタカズの「意外に知らない!?くすりにまつわるエトセトラ」

だいたいウンコになるので専門家に通称DU薬(DAITAI UNKO)とすら呼ばれる抗菌薬について知っておきたいこと

 北和也=やわらぎクリニック副院長

理由2:重症の下痢を引き起こすリスクがある

腸内細菌のバランスを乱し、やっかいな下痢を引き起こすことも。(© Katarzyna Białasiewicz -123rf)

 読者の皆さんの中には「私は便秘気味だから、ちょっと下痢するくらいの方がちょうどいいのよ!」という風変わりな方もおられるかもしれません。

 しかし、抗菌薬が引き起こす下痢は、軽症の下痢とは限りません。

 これは第三世代経口セフェムに限らず、どの抗菌薬でも起こり得ることですが、抗菌薬を飲み続けると、大切な腸内細菌が死んでいく一方で、「クロストリジウム・ディフィシル」という菌が生き残って増えてしまい、毒素による腸炎を引き起こすことがあるのです。これによって下痢などが起きるのですが、やっかいなことに、この菌は便と一緒に排出されて、周りの人にもうつります。さらに、高齢者や免疫機能が落ちた人では、重症化して死亡することもあるのです。

 単なる下剤とは全く性質が異なることが分かると思います。

理由3:そもそも飲まなくても治っていたはず

 「いや、でもよ、今までこの薬でオレの感染症は治ったぜ!?」という方もおられるでしょう。でも、本当にこの薬で治ったのでしょうか?

 かぜの場合、本来なら

 『かぜ⇒薬を飲まない⇒勝手に治る』

 はずです。なのに、薬を飲んでしまうと、

 『かぜ⇒経口第三世代セフェムを飲んだ⇒だから治った』

 と、患者さんも医師も勘違いしてしまうことが多いのです。

 これを何度も繰り返せば、「経口第三世代セフェムすげー!」となってしまうというわけです。

抜歯後の予防的な抗菌薬は不要!

 経口第三世代セフェムは、治療のみならず、予防投与という形で処方されることがあります。傷口があるような場合に、「感染症を起こすかもしれないから、あらかじめ抗菌薬を飲んで細菌を迎え撃ってやろう」ということですが、これもたいていの場合は不要なんです。

 予防投与で経口第三世代セフェムがよく出されるのは、抜歯後ですね。実は、抜歯後に抗菌薬を飲もう!なんていう推奨は、どこを探したって存在しません(科学的根拠がない個人的推奨ならたくさんあるかもしれませんが…。詳しくは後編でご紹介します)。

 ただし、例外的に、予防的に(抜歯前に)飲む必要がある方もいます。心臓の病気で人工弁を入れていて、弁に菌がくっつくリスクが高い方などです。こうした場合、抜歯前にアモキシシリン(商品名:サワシリンなど)というペニシリン系の抗菌薬を内服すれば良いようです(*3)。

*3  Wilson W, et al. Circulation. 2007 Oct 9;116(15):1736-54. Epub 2007 Apr 19.

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • かかると怖い!「膵炎」「膵がん」

    激痛に襲われる「急性膵炎」や、発見しにくく5年生存率が極めて低い「膵がん」など、膵臓の病気には厄介なものが多い。今回は、膵臓という臓器の役割や、膵臓の代表的な病気である「膵炎」「膵がん」の怖さ、早期発見のコツをまとめていく。

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.