抗菌薬で下痢?
最後に1つだけ。
この患者さんは下痢で2度目の受診をすることになってしまいました。
なぜでしょう?
実は、抗菌薬を飲むと、悪い菌もやっつけますが、体にとって必要な菌も一緒に殺してしまうんです!
「体にとって必要な菌」の代表は腸内細菌です。腸内細菌は絶妙なバランスを保って腸の中で仲良く暮らしているらしく、抗菌薬の影響で、ある菌だけたくさん増えたり減ったりしてバランスが崩れると、体調を崩してしまうわけです。
ちょうど琵琶湖に外来魚を放って、生態系に影響を与えてしまうことに似ていますよね!
こうして起こる重篤な下痢症が命に関わることだってありますので、是非とも不要な抗菌薬の服用は避けたいところです。
ぜひ、「風邪ひいた」→「抗菌薬欲しい」と安易に考えないようにしてくださいね!
注意)本連載は、医療否定を訴えるものではありません。必要な薬をテキトーに自己判断で中止するのはいけません!くれぐれもご注意いただければと思います。
やわらぎクリニック副院長

現在は、やわらぎクリニック(奈良県生駒郡)副院長として父親とともに地元医療に貢献すべく奮闘中。3姉妹の父親で趣味は家族旅行。