「かぜ」とは?

かぜと一口に言っても、いろいろなウイルスが関与していて、中には細菌もごく一部関係しているともいわれています。でも、ほとんどの場合、抗菌薬は必要じゃないのです。
それに、かぜってそもそも、「咳・鼻・のど」の症状が中心なので、その症状のいずれもないなら、それは「かぜではない!」。特に高熱だけの場合などは要注意です!
逆に、比較的急に「咳・鼻・のど」症状が同じ時期に同じ程度で出てきたら、それは「かぜ」ですので、抗菌薬は不要です。
つまり、医師がどうやって「かぜ」を認識しているかというと、「自然に治りそうな(比較的軽症な)、咳・鼻・のどがメインの症状」を「かぜっぽいな」と考えているのです。
一方、たとえばのどがとても痛くて真っ赤に腫れて、高熱が出て、首のリンパ節がぐりぐり腫れて、咳や鼻水が一切ない、というときは、溶連菌(ようれんきん)などの細菌性咽頭炎のことがあり、この場合は抗菌薬が必要です。
また、3日も高熱が続いたり、いったん良くなってきたのに高熱が出てきたり、という場合はかぜではありませんので、きちんと受診しましょう。
咳が長引けば抗菌薬?
また、咳が長引くから抗菌薬という考えも間違いなんです。かぜだって4人に1人は2週間ほど咳などの症状が続くんです。あきらかに「咳・鼻・のど」から始まった「かぜ」なら、抗菌薬なんて不要です。
逆に「咳」がひどくて高熱が続くようなら肺炎の可能性がありますし、微熱や寝汗や体重減少などがあれば結核やがん、特殊な慢性呼吸器疾患も考えなければならないかもしれません。
いずれにしても、症状が強い場合は自己判断でどうにかしようとしないことが大切です。
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