(病院受付にて)
患者さん 『すみません。××ですが、いつもの薬がほしいんですけど』
受付スタッフ 『では診察の順番をお待ちいただけますか?』
患者さん 『いや、特に変わりはないんで診察は結構ですわ~。なんとか薬だけいただけないですかね?』
受付スタッフ 『申し訳ありませんが、それはできないんです…』
患者さん 『なんで!? いつもの頭痛薬と胃薬をもらうだけなのにっ! 痛っ! いたた…! 怒ってたら頭が割れるように痛くなってくるわーっ!! 今日は過去最高に痛いわーーっっ!!』
受付スタッフ 『…(絶対診てもらった方が良いやん…!)』
…こんなやりとり、今までにされた方がおられるかもしれませんね(もちろんこんな激しくはないでしょうが…)。
確かに、特に相談したいことがなければ、「いつもの薬がほしいだけなのに、なんでわざわざ診察室に入らないといけないのか」と、面倒くさく感じることがあるでしょう。時間がもったいないので、薬だけもらってさっさと帰りたいという気持ちは、とてもよく分かります。
でも、これ、ダメなんです!
「無診察処方」といって、医師法違反になってしまうのです。
薬を処方する立場の私にも妻がいて、3姉妹の父親でもあるので、まだまだ警察の厄介になるわけにはいかないのでありますっ!
なぜ毎回診察してもらわなければいけないの?

「でも、毎回同じような診察で、いつもの薬をもらうだけなのに、なぜ診てもらう必要があるの?」
…その疑問はごもっともです。
「何も変わっていないのに、何か処方が変わるわけ?」
という気持ちですよね。よく分かります。特に、自覚症状の出にくい病気(たとえば高血圧や安定した糖尿病)や、薬でよく症状が抑えられている患者さんの場合、そう考えてしまうのも無理ないと思います。
でもですね、これって時にはとても危ないことになるんですよ。「危ないこと」というのは、大きく分けて2つあります。
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- え、この症状、副作用だったの?!