日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 話題の論文 拾い読み!  > 米国で「鉄欠乏性貧血」が増加、食品中の鉄分減少も関係?
印刷

話題の論文 拾い読み!

米国で「鉄欠乏性貧血」が増加、食品中の鉄分減少も関係?

過去20年間で、6割以上の食品において鉄分含有量が減少

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 過去20年間で、米国の成人の間で鉄欠乏性貧血患者が増加しており、その原因が、健康志向が強まったことによる食習慣の変化や、食品自体に含まれる鉄分の減少にある可能性が、大規模観察研究によって示されました。

食品に含まれる鉄分が減ってきている?(写真=123RF)
食品に含まれる鉄分が減ってきている?(写真=123RF)

米国では近年、鉄欠乏性貧血患者の割合が上昇中

 世界の貧血患者の30~50%は、鉄分が不足することで起こる鉄欠乏性貧血だと言われています。鉄は、酸素を全身に運ぶ赤血球の成分であるヘモグロビンを作るために欠かせません。鉄の欠乏は死亡の危険因子であり、脳卒中や心筋梗塞、認知機能障害、抑うつなどとも関係することが知られています。

 鉄欠乏性貧血は、食品から十分な鉄分を摂取できていない場合や、体の中で鉄の損失が増えた場合などに発生します。米国では近年、鉄欠乏性貧血患者の割合が上昇し、この疾患に関連する死亡率も上昇していましたが、その理由は明らかではありませんでした。

 そこで米Rider大学などの研究者たちは、米国民を対象とする国民健康栄養調査(NHANES)のデータベースを利用して、1999年から2018年までの鉄欠乏性貧血患者の割合の変化と、鉄欠乏性貧血関連の死亡率の変化を調べました。鉄欠乏性貧血の発症と関係する、食事を介した鉄分の摂取量の変化についても検討し、さらに、米国の食品に含まれる鉄分量に変化があったかどうかに関する検討も行いました。

鉄欠乏性貧血と見られる人の割合は男女ともに増加

 まず、鉄欠乏性貧血で治療を受けていた患者の割合の変化と、ヘモグロビン値に基づいて貧血と見なされた人の割合の変化を調べたところ、女性はいずれも上昇傾向を示し、男性も貧血と見なされた人の割合に上昇傾向が見られました(表1)。

表1 米国の成人の鉄の摂取量、貧血患者の割合などの変化
表1 米国の成人の鉄の摂取量、貧血患者の割合などの変化
(出典:J Nutr. 2021 Jul 1;151(7):1947-1955.)
[画像のクリックで拡大表示]

 男女別、および、年齢別(18歳未満の未成年と18歳以上の成人)に調べたところ、「未成年の女性」、「成人男性」、「成人女性」において上昇傾向が見られました。貧血と見なされた人の割合の上昇幅は、成人女性の10.5%から、未成年の女性の103%の範囲でした。

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニング

    中年にもなると、お腹がぽっこり出てくるのが気になる人も多い。特に薄着の季節になると、お腹が出ているのが気になり、何とか短期間で凹ませたいと思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、効率よくお腹を凹ませるために知っておきたい「内臓脂肪」の落とし方と、トレーニングのコツ、そしてお腹を凹ませる「ドローイン」のやり方について解説しよう。

  • 脳を衰えさせる悪い習慣、活性化する良い習慣

    「もの忘れがひどくなった」「単語がスッと出てこない」「集中力が落ちてきた」……。加齢とともに脳の衰えを実感する人は多いだろう。「このままだと、早く認知症になるのでは?」という心配が頭をよぎることもあるだろうが、脳の機能は加齢とともにただ落ちていく一方なのだろうか。どうすれば年齢を重ねても健康な脳を維持できるのか。脳に関する興味深い事実や、健康な脳を維持するための生活習慣について、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 疲労解消は「脳の疲れ」をとることから

    しつこい「疲労」の正体は、実は脳の自律神経の機能の低下であることが近年の疲労医学の研究で明らかになってきた。本記事では、放置すると老化にもつながる「疲労」の怖さとその解消法を、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.