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話題の論文 拾い読み!

乳児期にペットと暮らした子どもは喘息になりにくい

家畜と触れ合った子どもはさらにリスクが低い、スウェーデンの研究

 大西淳子=医学ジャーナリスト

触れあっても大丈夫。(©Martina Osmy -123rf)

 家でペットを飼っていると、子どもが喘息になりやすい―。そんな説を耳にしたことはありませんか。

 一般に、ペットの毛や羽根、それらを餌とするダニなどは、喘息症状の悪化の原因になると考えられていますが、ペットを飼うと子どもが喘息を発症しやすくなるのかどうかについては、これまではっきりとした研究結果はありませんでした。

喘息発症を恐れて動物との触れあいを避ける必要はない

 そこでスウェーデンUppsala大学の研究者は、2001年1月1日から2010年12月31日までに同国で生まれた全ての小児(101万人強)の情報を分析して、1歳までの期間にペットや家畜と触れ合っていた子どもとそうでない子どもで、喘息になるリスクが異なるかどうかを調べました。その結果、動物との触れあいがあった(自宅で犬を飼っていた、親が牧場を経営していた、または親が牧場で働いていた)子どもの方が、動物との触れあいがなかった子どもに比べて6歳までに喘息になるリスクが低いことが分かったのです。

 まず、6歳時点で喘息と診断されている可能性は、家に犬がいた子どもの方が13%低く、家畜と触れあう機会があった子どもでは52%も低くなっていました。こうした傾向は、親が喘息だったかどうかにかかわらず認められました。

 次に、1歳までの間、家に犬がいた子どもと、そうでない子どもの喘息リスクに差が生じるタイミングを調べたところ、3歳以降に両者の喘息発症リスクに差が現れることがわかりました。一方で、家畜とふれあう機会があった子どもの場合には、1歳を過ぎて以降ずっと、そうした機会がなかった子どもとの間に差が認められました。

 小児喘息は、息苦しい思いをする子どもはもちろん、保護者の心労も大きく、周囲の理解が欠かせない病気です。特に、親が喘息を経験していると、子どもを取り巻く環境を神経質に整えがちになりますが、この研究の結果は、喘息になることを避けるために犬や家畜とのふれあいを避ける必要はなく、逆に歓迎すべきものであることを示しました。

 論文は米国医師会雑誌(JAMA)の小児科専門誌『JAMA Pediatrics』電子版に2015年11月2日に掲載されました。

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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