日本食はやはり長寿に関係 よく食べる人は死亡リスクが低い
約9万3000人の日本人のデータを分析
大西淳子=医学ジャーナリスト
日本食のスコアが高い人では総死亡リスクが14%低下
約19年(中央値)の追跡期間中に2万596人(22.2%)が死亡していました。このうちがんによる死亡は7148人、心血管疾患による死亡が4990人でした。心血管疾患による死亡のうち、2600人は心疾患死(心筋梗塞などによる死亡)、1950人は脳血管疾患死(脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血などによる死亡)と判定されていました。
年齢、性別、BMI(体格指数)、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、摂取エネルギー量、降圧薬・脂質降下薬・血糖降下薬の使用、就労状況などを考慮して分析を行ったところ、JDI8スコアが高いことは、総死亡と心血管死亡リスクが低いことに関係していました。
JDI8スコアが0~2だったグループを参照群とすると、スコアが6~8だったグループの総死亡のリスクは14%低くなっており、スコアが上昇するにつれて、死亡リスクは低下していました(表2参照)。心血管疾患による死亡のリスクも、スコア6~8のグループで11%低下していました。また、心血管死亡に含まれる、心疾患死亡と脳血管死亡についても同様の傾向が見られましたが、統計学的有意差が常に見られたわけではありませんでした。
続いて、食材別に、摂取量が中央値以上だった人を中央値未満だった人と比較(牛肉と豚肉については、摂取量が中央値未満だった人を中央値以上だった人と比較)したところ、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚、緑茶の摂取量が多い人では、統計学的に有意な総死亡リスクの低下が認められました(リスク低下は3~11%)。
なお、著者らはJDI8スコアとがんによる死亡の関係も検討しましたが、有意な関係は認められませんでした。
論文は、2020年7月16日付のEuropean Journal of Nutrition誌電子版に掲載されています(*3)。
医学ジャーナリスト
