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話題の論文 拾い読み!

座りすぎの死亡リスク上昇、14の疾患で確認

運動習慣の有無にかかわらず死亡リスクは上昇

 大西淳子=医学ジャーナリスト

6時間以上座っている人は循環器疾患、腎臓病などでの死亡が多い

 21年間(中央値は20.3年)の追跡で、登録から1年以降の総死亡(あらゆる死因による死亡)と、がん、循環器疾患、糖尿病、腎臓病など22の死因による死亡の有無を調べました。総死亡は4万8784人で、死因別で最も多かったのは循環器疾患(1万6083人)、2番目はがん(1万4550人)でした。以下、認知症/精神疾患(2406人)、アルツハイマー病(2248人)、COPD(1642人)、事故(1339人)、パーキンソン病(1153人)、消化性潰瘍などの消化器疾患(1148人)、肺炎/インフルエンザ(1034人)と続いていました。

 年齢、性別、学歴、喫煙習慣、余暇時間の運動習慣などによる影響を排除するよう調整して分析したところ、余暇において座っている時間が長いことは、総死亡のリスクの上昇と関係していました。座っている時間が1日に3時間未満の人々に比べ、6時間以上の人々の総死亡リスクは1.19倍でした。ほかにも、循環器疾患による死亡、腎臓病による死亡、アルツハイマー病による死亡など、さまざまな原因による死亡のリスクが上昇していました(表1)。

表1 余暇に座っている時間の長さと死因別死亡リスクの関係
(データ出典:Am J Epidemiol. 2018 Oct 1;187(10):2151-2158.)
[画像のクリックで拡大表示]

 3~5時間座っている人々の死亡リスクを3時間未満の人と比較した場合も、総死亡や、がんによる死亡、循環器疾患による死亡のリスクの上昇が見られました。3~5時間の人々と6時間以上の人々のいずれかで死亡リスクが上昇した病気は、14種類に上りました。

 なお、座っている時間の長さと死亡リスクの間に男女差が認められたのは、がんによる死亡と腎臓病による死亡で、いずれも女性にのみ、有意なリスク上昇が認められました。

 先進国では、余暇に長い時間座っている人が増えています。今回得られた結果は、運動することとは別に、座っている時間を減らすことにより、死亡リスクを減らせる可能性を示しました。

 論文は、American Journal of Epidemiology誌2018年10月号に掲載されています(*1)。

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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