塩分の摂取量が多い人ほど肥満になりやすい
塩分を控えると血圧だけでなくBMIも低下する可能性
大西淳子=医学ジャーナリスト
4カ国すべてで塩分摂取量とBMIが正の相関示す
塩分摂取量とBMIの関係に影響を及ぼす可能性のある要因として、年齢、性別、喫煙習慣、飲酒習慣、学歴、摂取カロリーなどを考慮して分析したところ、塩分摂取量が増加するにつれて、どの国でもBMIは統計学的に有意に上昇していました。BMIの上昇幅は、1日当たりの塩分摂取量が1g増加するごとに、日本は0.28、中国は0.10、英国は0.42、米国は0.52でした(すべて統計学的有意差あり)。
次に、1日当たりの塩分摂取量が1g増加すると、過体重/肥満となるリスクがどの程度上昇するかを調べたところ、日本では21%、中国では4%、英国では29%、米国では24%上昇していました(すべて統計学的有意差あり)。
このように、塩分摂取量は4カ国すべてにおいて、BMIと正の相関を示しました。得られた結果は、どの国でも、人々が塩分摂取を控えると、血圧が下がるだけでなくBMIも低下し、住民に占める過体重/肥満者の割合も減る可能性を示唆しています。
論文は、American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2019年5月21日号に掲載されています(*2)。
医学ジャーナリスト
