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話題の論文 拾い読み!

キノコをよく食べる人はがんのリスクが低い

1日18gの摂取でがんのリスクが45%低くなる可能性

 大西淳子=医学ジャーナリスト

キノコ摂取量が最も多いグループでは、がんのリスクが34%低い

 17件の研究のデータを合わせて分析した結果、キノコの摂取量が多いことは、がんの発症リスクが低いことに関係していました。摂取量が最も少なかったグループと比較すると、摂取量が最も多かったグループのがん発症リスクは34%低くなっていました。

 発生部位ごとにがんのリスクとキノコの摂取量の関係を検討したところ、乳がんについてのみ、統計学的に有意な関係がみられました。乳がんとキノコの摂取量の関係を調べていた10件のデータを統合した分析では、キノコの摂取量が最も多かった女性では、乳がんのリスクが35%低いことが示されました。また、13件の研究データを基に、乳がん以外のがんのリスクを分析すると、キノコの摂取量が最も多かったグループでは発症リスクが20%低いことが示唆されました。

 乳がん以外の個々のがんについて統計学的に有意なリスク低下が認められなかった理由として、研究者たちは、検討していた研究の件数が少なかったことを挙げています。乳がんとの関係を調べていた研究は10件ありましたが、前立腺がんは2件、卵巣がんは2件、胃がんは5件、肝臓がんは2件、大腸がんは2件しかありませんでした。

 著者らはさらに、7件の研究のデータを用いて、キノコの摂取量とがん発症リスクの間に用量反応関係があるかどうか、すなわち、摂取量が増えるほどがんリスクが低下するかどうかを検討しました。その結果、直線的ではないものの、用量反応関係が認められました。得られたグラフに基づいて推定したところ、キノコを全く食べない場合と比較すると、1日18gの摂取で、あらゆるがんのリスクが45%低下する可能性が示されました。

 18gというのは、中くらいの大きさのシイタケの傘の部分の重さにほぼ相当します。ちなみに、エリンギ1パックの重量がおおよそ100gです。1日に18gというのは、容易に摂取できる量と考えられます。

 論文は、2021年3月16日付のAdvances in Nutrition誌電子版に掲載されています(*1)。

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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