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話題の論文 拾い読み!

有酸素運動を半年続けると認知機能が向上

普段あまり運動をしない平均年齢66歳、206人の介入試験の結果

 大西淳子=医学ジャーナリスト

半年間で、認知機能の一部と脳血流調節機能が改善

 6カ月間のトレーニングを完了したのは206人(平均年齢65.9歳、女性が51%)でした。VO2maxを指標とする心肺機能は、トレーニング開始の6カ月前からトレーニング開始直前までの6カ月間には低下していました。これは、参加者たちが、その間に十分な有酸素運動を行っていなかったことを示唆します。対照的に、トレーニング開始直前と訓練完了後を比較すると、心肺機能は改善しており、トレーニングは有効だったことが示されました。

 トレーニング前後の認知機能を比較したところ、処理速度と、実行機能の中の概念形成(*2)、言語記憶、言語流暢性のスコアが、トレーニング後に有意に改善していました。それらのうち、処理速度と言語記憶については、検査に対する慣れの影響が想定されたため、以降の分析から除外しました。残った概念形成と言語流暢性の向上と6カ月間の有酸素運動との関係を調べたところ、これらはいずれも、トレーニング前後の脳血流調節機能の改善と有意に関係することが明らかになりました。

 半年間の有酸素運動は、心肺機能を高めると共に、脳血流調節とそれに関係する一部の認知機能を改善していました。このことは、普段積極的に運動していない中高年者であっても、有酸素運動を継続すれば、正常な加齢による認知機能の低下が妨げられ、さらには改善も期待できる可能性を示唆しています。

 論文は、Neurology誌2020年5月26日号に掲載されています(*3)。

*2 様々な刺激の中から共通の特徴を抽出し、1つの概念を形成する能力
*3 Guadagni V, et al. Neurology. 2020 May 26;94(21):e2245-e2257.
大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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