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話題の論文 拾い読み!

玄米などの「全粒穀物」 食べる人は高血圧になりにくい

3年間の発症リスクが64%低下

 大西淳子=医学ジャーナリスト

全粒穀物を食べる人は3年間の高血圧発症リスクが64%低下

 944人のうち、「全粒穀物は全く食べない」が530人、「まれに食べる」が221人、「ときどき食べる」または「毎日食べる」が193人でした。全粒穀物を摂取しない人と比べると、ときどきまたは毎日摂取する人は、総摂取熱量や、脂質、たんぱく質、野菜、果物、豆類、乳製品の摂取量が多く、炭水化物、ソフトドリンク、米の摂取量は少なく、喫煙者も少ないこと、業務上の身体活動は少なく、夜勤や交代勤務は少なく、余暇での運動量は多いことがわかりました。

 3年後の追跡時点で、9.4%(86人)が高血圧を発症していました。年齢、性別、勤務地、生活習慣、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、勤務状況、食習慣などを考慮し、「全く食べない」人々を参照群として、高血圧の発症リスクを推定したところ、「まれに食べる」人にはリスクの上昇も低下も見られませんでした。しかし、「ときどきまたは毎日」という選択肢を選んだ人々では、高血圧リスクが64%低くなっていました(表1上段)。

表1 全粒穀物の摂取と3年間の高血圧発症リスク
(Nutrients. 2020 Mar 26;12(4):902.)
[画像のクリックで拡大表示]

 続いて、当初と3年後の両方で、食習慣に関する調査に回答していた513人を対象に同様に分析しました。全粒穀物を「全く食べない」状態が持続していた401人では42人が高血圧を発症しており、「ときどきまたは毎日」食べる状態が続いていた112人では発症者は4人でした。高血圧の発症リスクは、「ときどきまたは毎日」の人で80%低下しており(表1下段)、全粒穀物を継続して摂取していると、得られる利益は大きいことが示唆されました。

 今回の調査では、全粒粉を使ったパンやパスタ類の摂取については調べていませんでした。ただ、海外で行われた研究は主に、全粒粉を使ったパンやパスタ、シリアルの摂取について評価し、高血圧リスクとの間に逆相関関係を示していることから、白米を玄米や雑穀米に換えると同時に、白いパンもまた、全粒粉の入ったパンに置き換えれば、利益はさらに大きくなる可能性があると思われます。

 論文は、2020年3月26日付のNutrients誌電子版に掲載されています(*1)。

大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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