日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > 話題の論文 拾い読み!  > お酒とアルツハイマー病の関係に男女差 女性ではリスク減らす?
印刷

話題の論文 拾い読み!

お酒とアルツハイマー病の関係に男女差 女性ではリスク減らす?

女性は少量飲酒でリスクが低下、男性は飲酒量が多い人でリスク上昇

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 飲酒量とアルツハイマー病のリスクには男女差があり、女性では少量飲酒の人でアルツハイマー病のリスクが低下し、飲酒量が増えても有意なリスク上昇は見られないことが、複数の研究のデータを統合・解析した研究(*1)で示されました。男性では、飲酒量が多い人(週にビールの350mL缶11本弱)のアルツハイマー病リスクは非飲酒者に比べ有意に高く、少量飲酒者におけるリスク低下も見られませんでした。

「少量の飲酒はアルツハイマー病のリスクを下げる」という説は本当なのでしょうか?(写真=PIXTA)
「少量の飲酒はアルツハイマー病のリスクを下げる」という説は本当なのでしょうか?(写真=PIXTA)

少量の飲酒はアルツハイマー病のリスクを下げるのか?

 これまでに行われた研究で、アルコールの過剰摂取はアルツハイマー病の危険因子であることが示されています。一方で、適度な飲酒を習慣としている人のアルツハイマー病リスクが低いことを示したエビデンスもあり、少量飲酒の保護的な効果については、議論が続いていました。

 中国吉林医学院附属病院のChunxiang Xie氏らは、これまでに行われた研究は、飲酒量の定義、アルコール飲料の種類、追跡期間などがそれぞれ異なっているために、結果に違いが出てきた可能性があると考えました。そこで、既に報告されている質の高い研究論文を複数選出し、データを統合して分析することにより、飲酒量とアルツハイマー病リスクの関係を検討しました。

 文献データベースに2019年9月1日までに登録されていた研究の中から、非飲酒者と比較した飲酒者のアルツハイマー病リスクや、飲酒量とアルツハイマー病リスクの関係について報告していた13件の観察研究を選びました。2件は北米、8件は欧州、3件はアジアで行われていました。すべての研究がアルツハイマー病の診断に用いられた方法を記載しており、分析では年齢と性別を考慮していました。多くの研究では学歴と喫煙習慣も考慮しており、研究の質はおおむね高いと判断されました。

 13件の研究のデータを統合して分析したところ、非飲酒者に比べ、飲酒者のアルツハイマー病リスクは32%低く、この差は統計学的に有意であることが明らかになりました。

 続いて、アルコール飲料の種類や性別などに基づいて対象者をサブグループに分けて、同様に分析しました。アルコール飲料の種類として、ワイン、ビール、蒸留酒の3種類のいずれかを主に摂取する人を対象に分析したところ、ワインを摂取する人のアルツハイマー病リスクは、非飲酒者と比べて29%低くなっていました。一方で、ビールと蒸留酒については、アルツハイマー病リスクとの関係は有意になりませんでした。  

 男女別に分析すると、非飲酒者に比べ、男性飲酒者のアルツハイマー病リスクは31%、女性では34%低いことを示す統計学的に有意な結果が得られました。

1/2 page

最後へ

次へ

認知症
飲酒
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニングNEW

    中年にもなると、お腹がぽっこり出てくるのが気になる人も多い。特に薄着の季節になると、お腹が出ているのが気になり、何とか短期間で凹ませたいと思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、効率よくお腹を凹ませるために知っておきたい「内臓脂肪」の落とし方と、トレーニングのコツ、そしてお腹を凹ませる「ドローイン」のやり方について解説しよう。

  • 脳を衰えさせる悪い習慣、活性化する良い習慣

    「もの忘れがひどくなった」「単語がスッと出てこない」「集中力が落ちてきた」……。加齢とともに脳の衰えを実感する人は多いだろう。「このままだと、早く認知症になるのでは?」という心配が頭をよぎることもあるだろうが、脳の機能は加齢とともにただ落ちていく一方なのだろうか。どうすれば年齢を重ねても健康な脳を維持できるのか。脳に関する興味深い事実や、健康な脳を維持するための生活習慣について、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

  • 疲労解消は「脳の疲れ」をとることから

    しつこい「疲労」の正体は、実は脳の自律神経の機能の低下であることが近年の疲労医学の研究で明らかになってきた。本記事では、放置すると老化にもつながる「疲労」の怖さとその解消法を、過去の人気記事を基にコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.