1日の歩数が多いほど死亡リスクが低い 速さは無関係
4000歩に比べ8000歩では死亡リスクが半減、米国の研究
大西淳子=医学ジャーナリスト
歩数が多い人ほど死亡リスクが低下、8000歩で半減
平均10.1年の追跡期間中に、1165人が死亡していました。うち406人が心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など)による死亡で、283人はがんによる死亡でした。結果に影響を与える可能性のある、年齢、性別、人種、学歴、食事の質、飲酒習慣、喫煙歴、BMI、自己申告された全般的な健康状態や、運動制限の有無、併存疾患の有無などを考慮して、歩数・歩行強度と死亡リスクの関係を分析しました。
1日の歩数が4000歩の人を参照群とすると、2000歩の人の総死亡リスクは高く、6000歩から1万6000歩までの人の死亡リスクは低くなっていました(表1)。心血管疾患による死亡、がんによる死亡も同様で、いずれも、歩数が多い人ほど死亡リスクが低下する傾向が認められました。この傾向は、性別、年齢層別、人種別にグループを分けて検討しても同様に認められました。
1日の歩数 | リスク変化 | ||
総死亡 | 心血管疾患による死亡 | がん死亡 | |
2000歩 | 51%↑ | 51%↑ | 23%↑ |
4000歩 | 参照 | 参照 | 参照 |
6000歩 | 32%↓ | 32%↓ | 18%↓ |
8000歩 | 51%↓ | 51%↓ | 33%↓ |
1万歩 | 60%↓ | 60%↓ | 45%↓ |
1万2000歩 | 65%↓ | 65%↓ | 55%↓ |
1万4000歩 | 66%↓ | 66%↓ | 63%↓ |
1万6000歩 | 66%↓ | 66%↓ | 69%↓ |
一方、1日の歩数を考慮した上で歩行強度と死亡リスクの関係を検討しましたが、両者に有意な関係は認められませんでした。
論文は、JAMA誌2020年3月24日/31日号に掲載されています(*1)。
医学ジャーナリスト
