朝、30分のきつめのウォーキングがその日の血圧を下げる
座りっぱなしで肥満の高齢者を対象にした研究
大西淳子=医学ジャーナリスト
1日に8時間を座って過ごす、肥満または肥満気味の高齢者が、朝食後に30分間、きつめのウォーキングを行うと、その日の昼間の血圧(上の血圧;収縮期血圧)が3mmHgほど下がることが分かりました。

座りっぱなしの人はどのくらい運動すれば血圧が下がるのか?
昼間のほとんどの時間を座って過ごす、エネルギー消費が少ない人、特にBMIが25以上の過体重または肥満の高齢者(*1)では、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスク上昇が懸念されます。これらの発症リスクを下げるためには、血圧を下げることが重要で、時々立ち上がって運動をすれば血圧は下がることが示唆されています。
しかし、どのような運動を、どんなタイミングで、どの程度実施すれば血圧が効率よく下がるのかは、明確に示されていませんでした。また、運動によって血圧が下がっても、その後座り続ければ効果が消えてしまうのか、効果を持続させるにはどうすればいいのか、といった点も明らかではありませんでした。
そこでオーストラリアBaker心臓糖尿病研究所のMichael J. Wheeler氏らは、朝食後に30分間、中~高強度のウォーキングをしてから、残る時間は座って過ごした人と、朝からずっと座っていた人の昼間の血圧の変化を調べ、比較しました。さらに、朝ウォーキングをした後、その後の座っている時間にも30分ごとに3分間の軽いウォーキングをした人と、そうでない人の比較も行いました。
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