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話題の論文 拾い読み!

高血圧には薬だけでは不十分 生活改善の有無で死亡率に大きな差

肥満改善、禁煙、食習慣、身体活動、睡眠時間の5つが重要

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 高血圧と診断され、血圧を下げる薬(降圧薬)を飲んでいても、「禁煙」「運動」といった生活改善に取り組まなければ、死亡リスクの減少などに十分な効果が得られないことが、中国で行われた研究(*1)で明らかになりました。

薬を飲んでいるから大丈夫、と思っていませんか?(写真=PIXTA)
薬を飲んでいるから大丈夫、と思っていませんか?(写真=PIXTA)

降圧薬を飲んでいても健康的な生活習慣は必須?

 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患の発症や、これによる死亡と強力に関係しています。加えて、一部のがんのリスク上昇にも関係することが示されています。

 高血圧と診断され、生活改善を心がけても血圧が下がらない患者には、降圧薬が処方されます。高血圧の自己管理において重要なのは、降圧薬を指示された通り服用することと生活改善の2つで、健康的な生活習慣を継続すれば血管の健康状態は良好になり、心血管疾患のリスクは低下することが知られています。しかし、中には降圧薬を飲んでいることで安心してしまい、生活改善に積極的に取り組まない患者も存在します。

 今回、中国華中科技大学のQi Lu氏らは、中国の高血圧患者を、「降圧薬の使用の有無」と、「健康的な生活習慣を実践しているかどうか」に基づいて分類し、あらゆる原因による死亡(総死亡)と、心血管疾患による死亡、がんによる死亡のリスクを比較することにしました。

 分析対象にしたのは、中国の自動車メーカーの退職者を2008年から登録しているDongfeng-Tongjiコホートの参加者です。今回は、2018年までのデータを利用しました。

 生活習慣として評価したのは、高血圧の予防と治療のための最新のガイドラインが重要視している、BMI、喫煙歴、食習慣、身体活動、睡眠時間の5つの要因です。それぞれを、好ましくない習慣または数値を意味するスコア0から、好ましい習慣または数値であることを意味するスコア2までの3段階で表しました。

 具体的には、BMIについては、18.5~24.9(普通体重)をスコア2とし、25.0~29.9(肥満1度)はスコア1、30.0以上(肥満2度以上)または18.5未満(低体重)をスコア0としました。喫煙歴については、喫煙歴なし、または禁煙して10年超が経過していた人をスコア2とし、禁煙から10年以下をスコア1、現在も喫煙している場合をスコア0としました。余暇での身体活動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング、球技、ダンス、太極拳、水泳、ジムでのエクササイズなど)の頻度と平均実施時間については、ガイドラインが推奨しているレベル、すなわち、「中強度の運動を週に150分以上または高強度の運動を週に75分以上」をスコア2とし、それ以下の運動量であればスコア1、1週間に中強度以上の運動を全くしない場合をスコア0としました。

 食習慣は、野菜、果物、肉に注目し、野菜を1日に2回以上食べた場合、果物を1日1回以上食べた場合、肉の摂取が1日1回未満だった場合をそれぞれ1ポイントとして合計し、合計が3ポイントであればスコア2、2ポイントであればスコア1、0または1ポイントであればスコア0としました。睡眠時間については、総死亡の関係がJ字型のカーブを描くことから、夜間の睡眠が6~8時間をスコア2、5~5.9時間または8.1~10時間をスコア1、5時間未満または10時間超をスコア0としました。

 これら5要因のスコアの合計に基づいて、登録されていた人たちを、好ましくない生活習慣(スコア0~4)、中間(スコア5~7)、好ましい生活習慣(スコア8~10)の3群に分類しました。降圧薬の使用については、調査時点より前の2週間以内に服用していた人を使用ありとしました。

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