朝食を食べない日本人は脳出血リスクが高い
週に2回以下だと毎日食べる人の1.36倍
大西淳子=医学ジャーナリスト
朝食を毎日食べる人に比べ、週に2回以下しか食べない人では、循環器疾患、特に脳出血のリスクが高くなることが、日本人の中高年8万人超を対象とした研究で明らかになりました。論文は、米国心臓協会(AHA)が発行する医学雑誌「Stroke」の電子版に2016年1月5日に報告されています。
朝食抜きが循環器疾患のリスクを高める仮説は以前から存在した

朝食抜きの生活は、肥満や、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、耐糖能異常(糖尿病の前段階)などのリスクを高める可能性が指摘されています。それらはいずれも脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患の危険因子であることから、朝食抜きは循環器疾患のリスクを高めると予想されます。
ところがこれまで、この仮説を支持する研究結果は米国の男性を対象とした1件の研究しか報告されていませんでした。その研究では、朝食を食べることにより冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)のリスクが低下することを示していました。
今回、大阪大学公衆衛生学教室と国立がん研究センターなどの研究チームは、一般的な日本人を対象に、朝食抜きの生活と循環器疾患リスクの関係を調べました。
朝食を食べる頻度が高いほど、循環器疾患、特に脳出血が少ない
45歳から74歳までの人々の中から、循環器疾患とがんのいずれもない8万2772人(男性3万8676人と女性4万4096人)を選び、1995年から2010年まで、平均13年間追跡しました。
最初に、1週間に朝食を食べる回数を尋ねて、0~2回(6759人)、3~4回(2687人)、5~6回(2788人)、毎日(7万538人)の4群に分けました。
追跡期間中に、4642人が循環器疾患を発症しました。それらのうち3772人が脳卒中(内訳は、脳出血が1051人、くも膜下出血が417人、脳梗塞が2286人)、870人が冠動脈疾患と診断されました。
これらの循環器疾患と朝食摂取回数との関係を調べたところ、次のような結果が得られました。
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