痛風の発症リスクが77%減少する4つの条件とは?
最も影響するのは肥満、約4万5000人の米国人男性を対象とした研究
大西淳子=医学ジャーナリスト
痛風の発症リスク減少と最も関係していたのは肥満度
4つの危険因子のそれぞれと痛風発症との関係を調べたところ、影響が最も大きかったのはBMIでした(表1)。BMIが23未満の参照群に比べ、25以上30未満の人の痛風リスクは1.9倍、30以上の人では2.65倍になっていました。
続いて、4つの危険因子のうちの2つまたは3つ、もしくは4つすべてを組み合わせた場合の痛風発症リスクへの影響を推定したところ、4つすべてが最低リスク(BMIが25未満+飲酒しない+DASH食の遵守度が最高+利尿薬服用なし)であれば、痛風発症のリスクは77%低下する(相対リスク0.23)ことが示されました(表2)。
一方で、最初にBMIに基づいて男性を層別化し、25未満群、25以上30未満群、30以上群に分けて、残りの危険因子のうちの2つ、または3つを修正した場合の痛風リスク低下レベルを検討したところ、25以上30未満群の人たちは、いずれもリスクは有意に低下しましたが、30以上の肥満男性の場合には、残りの3つの危険因子を全て修正しても、痛風リスクの有意な低下は期待できないことが示唆されました。
得られたデータは、高尿酸血症の4つの危険因子を修正すれば、多くの男性が痛風を発症せずに済むことを示す一方で、肥満男性の場合には、まずは減量しないと、他の3つの危険因子を正常化しても利益は得られないことが明らかになりました。
論文は、2020年11月24日付のJAMA Network Open誌電子版に掲載されています(*4)。
医学ジャーナリスト
