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話題の論文 拾い読み!

背が高い人ほど「ロングフライト症候群」の危険あり

背が高いと脚も長く、うっ血が起こりやすい? スウェーデンの研究

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 分析は男女別に行いました。最も身長が高いグループの女性(185cm以上)と最も身長が高いグループの男性(190cm以上)を参照群として、それより身長が低い人々の静脈血栓塞栓症リスクを評価したところ、身長が低いほどリスクが低いことが明らかになりました。

 女性の場合、175~184cmのグループの静脈血栓塞栓症リスクは、185cm以上の人々に比べ37%低く、165~174cmでは53%低く、155~164cmは64%低く、155cm未満のグループでは69%低くなっていました。

 男性では、180~189cmのグループの静脈血栓塞栓症リスクは、190cm以上の人々に比べ28%低く、170~179cmでは43%低く、160~169cmは52%低く、160cm未満の人は65%低いことが示されました。

 男性では、深部静脈血栓症と肺塞栓症のいずれのリスクも身長が低いほど低く、女性では、深部静脈血栓症のリスクのみが、身長が低いほど低くなっていました。

 次に、スウェーデンの国家的登録データベースの中から、身長が異なる兄弟と姉妹のペアを選出し、身長差が「5cm未満」、「5~9cm」、「10cm以上」に分類しました。兄弟と姉妹のうち、身長が高いほうを参照群として静脈血栓塞栓症のリスクを求めたところ、男女ともに、身長が低いほど静脈血栓塞栓症リスクは低いことが明らかになりました。

 男性では、身長が高いほうの兄弟に比べ、身長が5~9cm低い兄弟の静脈血栓塞栓症リスクは20%低く、10cm以上低い兄弟では31%低くなっていました。一方、女性では、身長が10cm以上低い姉妹の静脈血栓塞栓症リスクは35%低くなっていました。

 これらの結果は、家族性の要因とは別に、高身長が静脈血栓塞栓症の強力な予測因子であることを示しました。

 論文は「Circulation: Cardiovascular Genetics」誌2017年10月号に掲載されています(*1)。

*1 Zöller B, et al. Circ Cardiovasc Genet. 2017 Oct;10(5). pii: e001651. doi: 10.1161/CIRCGENETICS.116.001651.
大西淳子(おおにしじゅんこ)
医学ジャーナリスト
大西淳子(おおにしじゅんこ) 筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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