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話題の論文 拾い読み!

健康的な食事をとると3週間で「うつ」が改善

大学生を対象とする小規模な無作為化試験の結果

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 中等症から重症の抑うつ症状がある若い人が、質の低い食事をやめて健康的な食事に切り替えると、3週間後に抑うつ症状が軽減した――。そんな研究結果が、オーストラリアMacquarie大学のHeather M. Francis氏らによって報告されました。

健康的な食事はうつを改善することが、無作為化試験で明らかに。(C)dolgachov-123RF

加工食品や飽和脂肪酸、砂糖の多い食事は精神の健康にも影響

 一般に、質の低い食事とは、加工食品や飽和脂肪酸(肉の脂身やバターなど動物性の油脂)、精製糖(砂糖)を多く摂取する食事を指し、健康的な食事とは、果物、野菜、魚、赤身肉を豊富に摂取する食事とされています。食事の内容は、身体的な健康のみならず、精神的な健康にも影響することが分かっており、近年、健康的な食事は抑うつ症状のリスクの低下と関係することが示されていました。しかしこれまで、食事の質と抑うつ症状の間に因果関係があるのかどうかは、明らかになっていませんでした。

 両者の因果関係を検討するためには、抑うつ症状のある人々を登録し、健康的な食事をとってもらって、症状が軽減するかどうかを調べる質の高い無作為化(ランダム化)試験が必要です。そこで、Francis氏らは、対象を若い成人に絞って小規模の無作為化試験を行うことにしました。若い成人に絞ったのは、思春期や成人期の早期は、うつ病を発症するリスクが上昇しており、かつ、健康的な生活の基礎を築く時期でもあるからです。この時期に好ましい食習慣を身につければ、生涯にわたって利益が得られる可能性があります。

抑うつ症状のある大学生を登録し、片方の群だけ食事内容に介入

 臨床試験の対象は、以下の条件を満たす同国の大学生としました:年齢は17~35歳、抑うつ症状は中等症以上(DASS-21〔うつ・不安・ストレススケール-21〕のうつサブスケールのスコアが7以上)、食事の質を評価するDFS(Dietary Fat and Sugar Screener)のスコアが57超(オーストラリアの健康な食事ガイドの推奨レベルに満たない質の低い食事をとっていることを示す)。摂食障害や代謝性疾患、うつまたは不安以外の精神疾患歴のある患者などは除外しました。

 条件を満たした101人を登録して、無作為に、3週間の食事介入を行う群(介入群、51人)、または、通常の食事を継続する群(対照群、50人)のいずれかに割り付けました。介入群には、栄養士が、動画を利用して食生活の改善方法を指導しました。

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