過食気味の人は「腹七分目」で長生きできそう
サルの実験で相反する結果、その理由を追求して分かったこと
大西淳子=医学ジャーナリスト
普段から食べ物を好きなだけ食べている人は、食事の量を7割程度に減らした方が、加齢によって増えるがんや糖尿病などにかかるリスクが下がり、長生きにつながる可能性があることが、サルを対象とした米国の研究で明らかになりました。
サルの実験で、相反する結果が得られていた

実は、「カロリー制限をした方が長生きできる」という仮説については、米国の2つの研究チームがアカゲサルを対象に研究を行い、相反する結果を報告していました。
2つの研究チームというのは、米ウィスコンシン大学のチームと米国立老化研究所(NIA)のチームです。彼らは、それぞれ別個に、アカゲザルに対するカロリー制限の影響を調べる同様の研究を行いましたが、ウィスコンシン大学の研究では、カロリー制限を行うと健康と生存期間の延長に利益があることが示されたのに対し、NIAの研究ではそうした利益は示されませんでした。
そこで両チームは、相反する結果が得られた理由を明らかにするために、協力してデータの再分析に取り組みました。その結果を読み解いていきましょう。