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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋肉の持久力をアップするには、軽い負荷で回数を増やすのがベスト

第39回 筋持久力のトレーニング効果

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

筋持久力が高まると筋肉の中の何が変わるのか?

 筋持久力のメカニズムは完璧にわかっているわけではありませんが、動的筋持久力のトレーニング効果を測るためによく行われているのは、最大筋力の30%の負荷を何回挙上できるか、というものでしょう。

 面白いことに、動的筋持久力を高めるには、30%よりも少し軽い負荷を使ったトレーニングをしたほうがいいということがわかっています。20~25%の負荷を使って挙上不能になるまで繰り返すことを続けていくと、30%で評価をしたときの回数が上がるのです。

 ですからトレーニング効果を高めるためには、より軽い負荷で、回数を増やすようなトレーニングを行ったほうがいいといえます。

 しかし、あまり軽くなってしまうのもNG。例えば20%以下の強度になってしまうと、ほぼ無限の回数を繰り返すことができる日常的な負荷強度になってしまいます。そうなると、何回やっても疲れません。500回やってもまだ大丈夫という負荷になったら、もうトレーニング効果はなくなってしまいます。その見極めが難しいといえば難しい。300回なら効果はあるけれども、それ以上は効果がないといったことが体験的にわかっていないと、勘に頼るしかなくなってしまうかもしれません。ただ、数値としては最大筋力の25~30%を目安にすれば間違いないでしょう。

 筋持久力が高まると、筋肉の中の何が変わるのかーー。最も顕著なのは筋肉の中の血流量です。つまり、筋持久力のトレーニング効果は、筋肉の中の毛細血管が増え、運動中に筋肉の中を流れる血液の量が増えるということが基礎的なメカニズムになります。

筋持久力のトレーニング効果を高めるためには、
より軽い負荷で、回数を増やすような
トレーニングを行ったほうがいい。


(構成:本島燈家)

石井直方(いしい なおかた)さん
東京大学教授
石井直方さん 1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。
“筋肉博士”石井直方先生の連載が1冊になって好評発売中!
『石井直方の筋肉の科学』
B5判、140ページ、1500円+税 発行/ベースボール・マガジン社

 日経Goodayのサイトでご紹介している「“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学」の連載が本になりました。

 筋肉の基本的な仕組みから、理想的なトレーニング方法まで、専門的に解説。

 全国の書店、またはベースボール・マガジン社サイトでお買いお求めください。

こちらからでもご購入いただけます
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この記事は、ベースボール・マガジン社「コーチング・クリニック」からの転載です。

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