追い込み型のトレーニングで身体がさらに成長する可能性も
回数で追い込むトレーニングをすると、代謝物受容反射などが起こり、成長ホルモンの分泌もよくなるので、さらに身長が伸びるかもしれません。
激しいトレーニングが求められるスポーツ選手でなければ、その時期にスロートレーニングに取り組んでもいいでしょう。スロートレーニングも内分泌系の働きを活性化させるので、同じく身体の成長を促進させる効果が期待できます。
ちなみにスロートレーニングは、小学生から取り入れても問題ありません。小さい頃からハードなトレーニングはできないと思いますので、朝礼前にスロースクワットを毎日10 回行う程度でもいいでしょう。それだけでも足腰の使い方が安定してくるはずです。
そして高学年になって身体が慣れてきたら、無理のない程度に少しずつ回数を増やし、筋肉の疲労感を経験させるのがよいでしょう。そうしたトレーニングを味わっておくことで、成長期後の本格的なトレーニングの下地ができ上がっていくからです。
成長期までは「低強度・高回数(あるいはスロートレーニング)」。成長期を過ぎたら「高強度・低回数(あるいはオーソドックスな中~高強度)」。中高年になったら負担の少ない「スロートレーニング」――それが成長に応じた効果的なトレーニングといえるかもしれません。
成長期までは「低強度・高回数」。
成長期を過ぎたら「中~高強度・低回数」。
中高年になったら「スロートレーニング」。
(構成:本島燈家)
東京大学教授

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