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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋肉はトレーニング開始から1週間で太くなり始める

第38回 筋肥大と筋パワーのトレーニング効果

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、筋肉の大小を決める最大の要因である「筋肉の断面積」の測定方法と、トレーニング効果を調べる方法について見ていきます。かつては、筋肉が本格的に太くなるのに1~2カ月程度はかかると考えられてきましたが、最新の装置で測ると1週間ほどで変化が見られるそうです。

筋力の大小を決める最大の要因は筋の断面積

筋力の大小を決める最大の要因は「筋肉の断面積」です。筋力をアップさせるためには、“筋肥大”が最も重要な課題となります。(©Andrey Kiselev-123rf)
[画像のクリックで拡大表示]

 筋力の測定方法について前回まで説明してきました。では、筋力の大小を決める最大の要因は何でしょう。それは筋の断面積。つまり筋力をアップさせるためには、筋肥大が最も重要な課題となります。

 トレーニングをした直後に少し筋肉が太くなる、いわゆるパンプアップも短期的な筋肥大ということができます。ですが、ここで論じるのは、もっと長期的な視点での筋肥大。一定期間、筋肉を鍛えることで、パンプアップとは違う状態で筋肉そのものが太くなることを指しています。

 トレーニング効果を知るには、ある筋肉の同じ場所の太さ、同じ場所の断面積をトレーニングの前後で測って比較すればいいということになります。最も手軽なのは、腕や脚の太さ(周囲径、周囲長)を巻尺で測る方法です。周囲径は、学術論文でも立派な筋肥大の指標として使用できる基準です。ただ、測り方が非常に難しい。筋肉は、常に固定されて動かないものではありません。どの位置を測るか、どういう姿勢で測るか、といったことも問題となります。常に同じポイントで測れるように、例えば、上腕なら「肩と肘の中点」「肩から60%の位置」などという決め方をします。あるいは「肩から〇cm」と決めてフェルトペンなどでマークをつけて測るという方法もあるでしょう。とはいえ、いずれも微妙な肘関節の曲げ具合などにより、値に誤差が生じる可能性もあるため注意が必要です。

 ボディビルダーが腕の周囲径を測るときは、肘を曲げて上腕二頭筋を目いっぱい膨らませ、一番太いところを測るというのが一般的です。学術的には採用できない測り方ですが、ボディビルダーは1cmでも大きい数値を出したい人たちですから、必然的にそういう方法になるわけです。また、必ず一番太い箇所を測ると決めておけば、日常のトレーニング効果を知るという目的においては信頼性が高いデータになるといえるかもしれません。

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