日経Gooday TOP  > スポーツ・エクササイズ  > “筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学  > 筋トレの間隔を短くしたほうが筋肉は太くなる?  > 3ページ目

“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋トレの間隔を短くしたほうが筋肉は太くなる?

第59回 トレーニングの容量を高める(3)

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

加圧トレ、スロトレも容量の高いトレーニングと同等の効果

 ディセンディング法などの方法のほかに、私たちが研究に取り組んだのが、軽い負荷で筋肥大を起こすための方法――加圧トレーニングでした。これはベルトを使って筋肉の血流を制限した状態で行うトレーニングですが、成長ホルモンの分泌を促す効果が極めて高いことがわかりました。負荷が軽いにもかかわらず、非常に容量の大きなトレーニングと同じレベルの成長ホルモン、さらに男性ホルモンも分泌されます。

 加圧トレーニングの理論をベースとして誕生したのが、スロートレーニングです。これは筋肉の力発揮を維持することで内圧を高め、血流を抑制するという方法です。これも成長ホルモンや男性ホルモンの分泌を強く刺激することがわかりました。

 一時期流行した「ビリーズブートキャンプ」も、低い姿勢を維持することで筋肉の力を抜かないという点でスロートレーニングと似た面をもつので、ある程度の時間行えば、やはり成長ホルモンの分泌は高くなると思います。

 このように、筋肥大に効果的なトレーニングを行うと、おそらくパラレリズム(並行現象)として成長ホルモンの分泌が高くなると考えられます。そのため成長ホルモンは、新しいトレーニングを導入する際に、その効果を予測する1つの手段として活用できます。3~6ヵ月といった長期間のデータを待つまでもなく、1回のトレーニング後の成長ホルモンの分泌を見ることで、長期的な効果をある程度推測できるからです。成長ホルモンとトレーニングの研究は、結果としてさまざまなトレーニングプログラムの特性を理解するヒントになったといえるでしょう。

新しいトレーニングを導入する際、
成長ホルモンの分泌は、その効果を
予測する1つの手段として活用できる。


(構成:本島燈家)

石井直方(いしい なおかた)さん
東京大学教授
石井直方さん 1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。
“筋肉博士”石井直方先生の連載が1冊になって好評発売中!
『石井直方の筋肉の科学』
B5判、140ページ、1500円+税 発行/ベースボール・マガジン社

 日経Goodayのサイトでご紹介している「“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学」の連載が本になりました。

 筋肉の基本的な仕組みから、理想的なトレーニング方法まで、専門的に解説。

 全国の書店、またはベースボール・マガジン社サイトでお買いお求めください。

こちらからでもご購入いただけます
ベースボール・マガジン社 商品検索&販売サイト


この記事は、ベースボール・マガジン社「コーチング・クリニック」からの転載です。

先頭へ

前へ

3/3 page

新型コロナウイルス感染症 最新情報はこちら
  • facebookでシェア
  • Twitterにツイート

PR

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

FEATURES of THEMEテーマ別特集

テーマ別特集をもっと見る

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

PC表示

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.