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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

ダンベルを下げる時や下り坂を走る時は、筋肉への刺激が大きくなる

第56回 メカニカルストレスを高める方法(3)

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、メカニカルストレスを高める方法の一つ「エキセントリックトレーニング」を紹介していきます。これは、ダンベルを下げる時など、“筋肉をブレーキとして使う”力発揮のことを指します。実は、ダンベルを上げる時より下げる時のほうが、メカニカルストレスは強くなるのです。

エキセントリックの局面では使われる筋線維が間引かれる

 メカニカルストレスを高める方法として、「高負荷・長インターバルトレーニング」と「バリスティックトレーニング」を説明してきました。今回は「エキセントリックトレーニング」と「フォーストレプス」の2つを紹介します。

 エキセントリックとは、筋肉をブレーキとして使う力発揮(伸張性収縮)のことで、実際のトレーニングでいうと、バーベルやダンベルを下ろす局面のことです。同じ重さのバーベルやダンベルを使った場合、負荷を挙上するコンセントリック(短縮性収縮)よりエキセントリックのほうが、ずっとメカニカルストレスは強くなります

 同じ重さの負荷を扱っているのに、なぜメカニカルストレスが変わるのでしょうか。それはエキセントリックのときには、使われる筋線維が間引かれているからです。上げるときと下ろすときに同じ筋線維を使っていては、負荷は下りてきません。そこで、例えば上げるときに100本の筋線維を使ったとすると、下ろすときには50 本の筋線維しか使わないという現象が起こるのです。

 そういう状態になると、50本の筋線維にとっては、上げるときよりも2倍の負荷がかかっていることになります。最大筋力を超える負荷で無理やり引き伸ばされるような状態になり、頑張って力を出しても負荷を支え切れず、じわじわと落ちてくるわけです。というわけで、エキセントリックの局面では、「実際に活動している筋線維」へのメカニカルストレスが大きいといえます。

 下り坂を走るような運動も、1歩1歩の着地にかかるストレスは小さいものですが、長い時間走る間に筋肉全体に強いストレスがかかり、激しい遅発性筋痛が引き起こされることもあります。

下り坂を走るような運動は、長時間走る間に筋肉全体に強いストレスがかかる。(c)Martin Lehmann -123rf

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