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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

ヒトの筋肉のエネルギー効率は原動機レベル

第31回 筋肉のエネルギー消費量の6~7割は熱になってしまう

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

熱産生に関わる新発見

 もちろん褐色脂肪はヒトにもあり、サーモグラフィーで見ると、主に胸から脇の下にかけて分布しているのがわかります。最近では、褐色脂肪がダイエット関連の本などで話題になっているのをご存じの方も多いでしょう。

 ただ、ヒトの場合、その量はクマなどに比べるときわめて少なく、40g前後とされています。それが脂肪をエネルギーとする熱源として働いているのは間違いないのですが、実際にどのくらい熱産生の役に立っているかというのはよくわからないのです。むしろ体重の約40%(20~30kg)を占める筋肉のほうが、重さとしては1000倍ほども多いのですから、ずっと大きな役割を果たしているのではないかと考えられてきました。

 ところが、10年ほど前から状況が劇的に変わりました。褐色脂肪細胞や筋肉が熱を出すための仕組みに関わっているタンパク質が見つかったからです。これについては、次回に 詳しく説明したいと思います。

全体のエネルギー生産に占める
力学的なパワーの割合が一番大きなところは、
「筋肉のエネルギー効率がいい」といえる。


(構成:本島燈家)

石井直方(いしい なおかた)さん
東京大学教授
石井直方さん 1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。
“筋肉博士”石井直方先生の連載が1冊になって好評発売中!
『石井直方の筋肉の科学』
B5判、140ページ、1500円+税 発行/ベースボール・マガジン社

 日経Goodayのサイトでご紹介している「“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学」の連載が本になりました。

 筋肉の基本的な仕組みから、理想的なトレーニング方法まで、専門的に解説。

 全国の書店、またはベースボール・マガジン社サイトでお買いお求めください。

こちらからでもご購入いただけます
ベースボール・マガジン社 商品検索&販売サイト


この記事は、ベースボール・マガジン社「コーチング・クリニック」からの転載です。

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