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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

スポーツでスピードを高める第1条件とは

第7回 高く跳べるかどうかに体重の「重い」「軽い」は関係ない!?

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

力と加速度との関係

 では、物を動かすためには何が必要か。筋肉が動かそうとする負荷は、最初は止まっています。すべての運動は速度ゼロからスタートすることになるので、ある一定の速度まで物を動かすときには、どうしても速度を徐々に高めていかなければいけません。ここで登場するのが、「加速度」というものです。

 「力(F)=質量(M)× 加速度(a)」。これはニュートン力学の大原則といえる式で、おそらく中学校で習うものだと思います。質量Mが変わらないものとすると、「加速度×時間=速度」なので、加速度aが大きければ大きいほど、ある一定の時間に物体に対して大きな速度を与えられるということになります。

 ということは、大きな速度が必要なスポーツのパフォーマンスにおいては、大きな加速度が本質的に大事ということになります。

「例えば、ボールを投げる場合、ボールが持つ質量に対してどれだけ大きな加速度を与えられるか、が重要な問題です」(石井教授)。(©Dave Broberg-123rf)
[画像のクリックで拡大表示]

 例えばボールを投げる場合、ボールが持つ質量に対してどれだけ大きな加速度を与えられるか、が重要な問題です。しかも、野球などの場合は投げる動作の範囲も制限されているため、数メートル走ってから投げるというわけにはいかず、限られた動作のなかで加速をつけなければいけません。また、ある限られた時間のなかで加速をしなければいけないスポーツもたくさんあるでしょう。

 0コンマ何秒という一瞬の間に大きな加速度をかけるためには、大きな加速度を与えられるだけの筋肉の能力が要求されます。そして、「力=質量×加速度」という式から考えると、ある一定の質量に対して大きな加速度を与えるためには、加速度に比例した力が必要ということになります。

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