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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋収縮の「形態」を変える4つの動き

第6回 トレーニングの現場で最も使われている方法は?

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

「等張力性収縮」は滑車とケーブルを使い負荷を一定にして測定する

 2つ目は、等張力性収縮。

 これは等尺性収縮とは逆で、筋肉が出す力を一定にする方法です。一番簡単なやり方は、プーリー(滑車)を介したケーブルを使って負荷を引いていく。プーリーによって関節の角度にかかわらず筋肉にかかる負荷が一定になるので、ケーブルを一定の速さで引き上げれば、理論的には等張力性収縮が成立します(下図の上から2つ目)。

 しかし、これにも問題はあります。負荷が動きだしたあとは速度を一定にすることもできますが、速度ゼロの負荷を動かし始めるときは、慣性に逆らって負荷を加速しなければいけない。つまり、最初に発揮する力はどうしても大きくならざるを得ません。また、筋肉には長さに応じて筋力が変わるという特性があるため、筋肉の収縮が進むに従って最大筋力も時々刻々と変わってしまいます。この理由によっても、筋肉にかかる負荷は必ずしも一定ではなくなります。ということで、見かけは等張力なのですが、筋肉の立場からすると、常に同じ条件ではなくなってしまうわけです。

 本当に正確な数値を測るためには、負荷が一定になるようにモーターでコントロールしたり、筋力が途中で変わらないようにごく短い収縮範囲の間で性質を調べたりするなどの厳密な条件が必要になり、実験手法としては非常に難しいものになります。

イラスト/田中祐子
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