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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋肉の出力を決める関節という「変速器」

第4回 「関節のテコ作用」によって末端の運動が増幅される

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

筋肉の力とスピードは関節の「テコの原理」が司る

 変速器は、実は筋肉の外側にも存在しています。それは「関節のテコ作用」で、筋肉が骨のどこに付着しているか、ということが問題になってきます。

 簡単にいうと、関節(支点)に近いところに筋肉(力点)がついていれば、筋肉が少し縮んだだけでも四肢の末端(作用点)の動きは大きくなります。その代わり、テコの原理によって末端が発揮する力は減衰してしまいます。

 逆に、関節から離れたところに筋肉がついていると、筋肉が少し縮んだだけでは末端はあまり動きません。その代わり、筋肉が出した力はあまり減衰せずに末端に伝わるので、発揮する力は大きくなります。

50㎏の負荷を支える太ももの筋出力はナント500㎏超!

 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を例にしてみましょう。この筋肉は膝蓋骨(しつがいこつ)に付着し、また膝蓋腱を介して脛の骨にもくっついています。筋肉が力を発揮することで膝が伸びるわけですが、このときのテコ比は極めて大きいものです。大腿四頭筋がほんの少し縮んだだけでも、膝の角度はかなり大きく動くようにデザインされている。つまり、末端部が大きく動くようにできているので、その分大腿四頭筋が出した力はかなり減衰してしまいます。

 例えば、50㎏の負荷をつけてレッグエクステンションで力を発揮したとき、大腿四頭筋が実際に出している力は容易に500㎏を超えています。逆にいうと、500㎏の力を出して、やっと50㎏のレッグエクステンションができる。それだけの力の減衰を代償として、末端の運動の大きさを増幅しているのです。

 運動の大きさとともに、大腿四頭筋は大きな筋力も求められます。動きを増幅するために犠牲となってしまう筋力を補ってなお、余りある強さを必要とされているのです。ですから、それに適した羽状角を持ち、その体積の中にたくさんの筋線維を詰め込めるよう、戦略的に設計されているのだと考えられます。

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