自分の目的に合ったトレーニングを選ぶ
唯一無二の絶対的なトレーニング法は基本的にあり得ないので、常に何に重点を置いてトレーニングするかということを考えることが大切になります。
トレーニング法はたくさんあります。何が良くて、何が悪いということはありません。それよりも、トレーニングを行う本人が、今の自分には何が必要か、どのトレーニングを行うべきか、それを考えることが重要です。それぞれのトレーニングの特徴を知り、自分の目的との兼ね合いで的確にメニュー決めていくことが、自分のレベルを上げたり、パフォーマンスを高めたりするコツといってもいいでしょう。
トレーニングを選ぶポイントとしては、まずは自分が関わっている競技に合っているかどうか、自分自身の長所を伸ばし、短所を補うものになっているかどうか、といったことを基準に考えればいいと思います。ただ、適切なメニューであるかどうかは、年代によっても変わってくるでしょう。特に筋トレの場合、成長期が終わるまでは、あまり激しいものは避けるほうが無難です。
目的に合わないトレーニングをむやみに取り入れる必要はありません。また、いろいろなトレーニングを無節操にあれこれと試すこともないでしょう。ただ、たくさんの知識をもっていればいろいろなケースに対応することができるので、ある程度の勉強をしておいたほうが、結果的に良い効果を得られる可能性は高くなるといえます。
いくつかのトレーニングを行うにしても、1つのトレーニングを一定期間はしっかり続けることが大切です。新しいものに目が行きすぎて、1つのトレーニングが中途半端なまま終わってしまうと、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。新しいものを学ぶことは大切ですが、信念をもって続けることも重視してほしいものです。
唯一無二の絶対的なトレーニング法は存在しない。
常に何に重点を置いて
トレーニングするかを考えることが大切。
(構成:本島燈家)
東京大学教授

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